表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界鉄道ゆる建設記 ~鉄道マニア、線路で世界をつなぐ~』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/94

4. クライマックス:笑顔がゴールを動かす

――観客席の喧騒が、ひときわ大きくなる。


弁当部「駅弁聖団」の列車は、他チームに大きく遅れをとっていた。

魔導機関も推進呪文もない。

ただ、真心と手で押す力だけ。


それでも、彼女たちはあきらめなかった。

途中で渡した弁当の香りが、風に乗ってコースを包む。

その温もりが観客たちの胸を打ち――いつしか、声援が起こった。


観客A「がんばれー! 弁当列車ー!」

観客B「届けてくれー! その想いをー!」


拍手が波のように広がり、その音が空気を震わせる。

次の瞬間――。

微かに、追い風が吹いた。


車体の紙旗がはためく。湯気が流れる方向が変わる。

押す手に伝わる力が、まるで風そのものが背中を押してくれているようだった。


ミナ「……みんな、感じる? これ、風じゃない……“想い”だよ。」

仲間たち「うん……!」


そして、ミナはまっすぐ前を見据える。

瞳の奥に、まるで線路のような光が通っていた。


ミナ「線路の上を――誰かが笑って走る。

   それが、“鉄道の心”です!」


歓声が爆発した。

観客が立ち上がり、旗を振り、涙を拭う者までいる。


悠真「……やられたな。あれが、本当の“運行”だ。」

リリアナ「ええ。“運ぶ”とは、心を動かすこと……まさにそれですね。」


そして――

弁当列車は、笑顔に包まれながらゴールテープを駆け抜けた。


ゴール地点の光がゆらめき、笛の音が鳴る。

会場アナウンスが告げた。


アナウンス「――優勝、弁当部・駅弁聖団!」


一瞬の静寂。

次の瞬間、爆発のような拍手と歓声。

弁当部の少女たちは涙と笑顔で抱き合い、

湯気の中に、まるで“心を運ぶ列車”が通り過ぎたような余韻が残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ