2. 競技開始:クラスごとの個性爆発
――午前十時、汽笛が鳴り響いた。
「手動列車運転コンテスト」開幕。
広場のレールには、各クラス自慢の“人力列車”がずらりと並ぶ。
テーマも構造もバラバラ――まさに混沌の祭典。
まず先頭を切るのは、機関学科チーム。
金属光沢のあるボディに魔導加速装置を密かに搭載。
スタートと同時に青白い火花が散る。
悠真「おい、魔導補助は禁止だぞ!」
生徒「これは“人の気合を増幅する装置”です!」
悠真「それエンジンだろ!?」
――結果、圧倒的な速度でトップを独走。だが、明らかに違反。
続いては、詩学部チーム。
車体の側面には、古代精霊語の詩が刻まれている。
彼らは走りながら、その詩を朗唱。
詩の韻律とレールのリズムが共鳴し、車両が“音楽的に”加速する。
観客「おお……まるで歌う列車だ!」
リリアナ「……音律走行。理論上は不可能のはずですが。」
悠真「詩に動かされる列車ってのも、ロマンあるだろ?」
確かに速度は遅いが、その美しさは満点だった。
次は、呪笛少女クラリス率いるチーム。
「笛の音で風を呼び、推進力を得る!」という発想で挑む。
クラリス「いきます! “恋風発車!”」
ピィイイイィ……♡
――直後、空が曇り、突如スコール。
リリアナ「……気象干渉まで起こしましたよ。」
悠真「恋の力、天候すら変えるのかよ……。」
笛は鳴り止まず、観客は爆笑。
クラリスはびしょ濡れになりながらも、満面の笑みで完走した。
そして最後に登場したのは、印刷魔術師トマスのチーム。
彼らは走行中に“切符”を次々と撒きながら進む。
切符が地面に触れるたび、空間が微妙に歪み、コースがループし始める。
リリアナ「時間と空間を印刷で歪ませるなって何度言えば……!」
悠真「まあ、演出点は高いな。減点だけど。」
観客席は笑いと歓声に包まれた。
鉄と人、魔法と情熱がごちゃ混ぜになった“レールの祭り”。
リリアナ「……教育というより、もはや祭儀ですね。」
悠真「まあ、鉄道って“祭り”みたいなもんだろ。
人が集まって、誰かを待つ――それが、始まりなんだ。」
風が旗をはためかせ、次のチームの笛が鳴る。
祭りはまだ、止まらない。




