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『異世界鉄道ゆる建設記 ~鉄道マニア、線路で世界をつなぐ~』  作者: 南蛇井


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2. 主な生徒キャラクター紹介

■呪笛少女・クラリス


午前の講義中――。

悠真が黒板にチョークを走らせるたび、窓の外で天気が変わっていた。


最初は晴れ。

次の瞬間、小雨。

三分後には、雪。


リリアナは額を押さえた。

「……誰か、天候制御魔法を無断使用してませんか?」


教室の後ろで小さく手を挙げたのは、金髪の少女クラリス。

胸元には銀の笛。顔は真っ赤。


「す、すみません……。ちょっと照れて吹いちゃって……」


悠真「クラリス、感情と連動する笛は危険だ!」

クラリス「だって先生が“線路は命を運ぶ”って言った時、心が晴れたんです!」


――ピィィィィィィ……!


教室が眩しい光に包まれた。

外を見ると、見事な虹が空を横切っていた。


リリアナは無表情で言う。

「……これ、授業どころじゃありませんね。」


■印刷魔術師・トマス


二時間目、トマスが切符印刷機の調整を始めた。

彼の専攻は「時空刻印魔法」。

切符に日付と宛先を書き込むと、乗車時間を“概念的に固定”できるというものだ。


ただし――。


悠真「なあ、それ“昨日”って入力してないか?」

トマス「昨日の授業サボったんで、昨日に戻って出席しようと思いまして!」


次の瞬間、教室が二重になった。

昨日の教室と今日の教室が、時空の継ぎ目で重なり、黒板が二枚に増える。


悠真「おい! 教室が二層構造になってんぞ!」

トマス「理論上、昨日の俺と今日の俺、両方出席してるので出席率200%です!」

リリアナ「……減点です。存在ごとに。」


トマス、撃沈。

時間割も物理的に崩壊した。


■模型少年・ニル


昼休み、教室の隅でニルが何かを祈っていた。

手のひらに乗せた小型列車模型に、淡い光が集まっていく。


「列車は命を運ぶ……なら、命を宿してもいいはずだ!」


模型が震え、カタカタと走り出す。

次の瞬間、机の上を脱線し、教科書の山を突っ切った。


悠真「おい待て、それ魂入りだろ!」


悠真はすぐさま魔導ブレーキ札を投げ、模型を止めた。


悠真「列車は生き物じゃない。でも、想いを運ぶことで“生きてるように見える”んだ。」

ニル「……じゃあ、想いをもっと乗せれば、本当に走るんですね。」

悠真「ああ、それが“線路の心”だ。」


その言葉に、ニルの目がほんの少しだけ輝いた。


■弁当部(通称・駅弁聖団)


午後の鐘が鳴ると、校舎の一角から香ばしい匂いが漂ってきた。

学園最大の勢力――弁当部、別名《駅弁聖団》。


調理棟を完全に支配し、鉄道ごとに異なる“地域弁当”を再現している。

昼の献立表にはこう書かれていた。


『北方急行セット』『沿岸特急の味噌汁』『南風列車カレー』


校内のほぼ全生徒が、弁当部の配給に依存している。

つまり、胃袋が権力だ。


弁当部長・ミナ「お弁当は“旅する心”を包むものです!」

悠真「……お前らが一番、鉄道の精神理解してるかもな。」

リリアナ「宗教と同じ構造を持っていますね。」


汽笛が鳴り、昼休みの終わりを告げる。

今日もアカデミー・オブ・レールは、教室ごとに混線中だった。

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