表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界鉄道ゆる建設記 ~鉄道マニア、線路で世界をつなぐ~』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/94

5. 学園到着:アカデミー・オブ・レール

列車がゆっくりと速度を落とし、首都郊外の丘に築かれた学園駅へと滑り込む。

車窓の向こう――鉄と石が融合した荘厳な建築が、陽光を浴びて輝いていた。


巨大なアーチ型の門。

その頂には、二本のレールが交差して“翼”の形を描いている。

門の両脇には古い信号灯が灯り、緑と赤の魔導光が交互に点滅していた。

――ここが、《アカデミー・オブ・レール》。

神聖鉄道ギルドが総力を挙げて創設した、“鉄道を学ぶための学園”だった。


悠真とリリアナが駅のホームを降りると、

温かな風が頬を撫で、遠くから汽笛のような音が微かに響いてくる。

それは、この地そのものが息づいているかのような音色だった。


校門をくぐると、広大な中庭が広がる。

中央には――人の背丈を優に越える、巨大な転轍機のモニュメント。

鋼鉄のアームが夕陽を反射し、まるで心臓のように静かに脈打っている。


悠真「……これ、動くのか?」


傍らで控えていた若い案内役の学生が、誇らしげに胸を張る。


学生「はい! 授業で実際に“切り替え訓練”を行います!

  ここでの合格基準は――一ミリの誤差も許されません!」


リリアナ「教育に命懸けてますね……。

  まさか転轍機を教材にするとは。」


悠真「本気だな……。いや、こういう学校なら、ちょっとワクワクするな。」


リリアナが頷く。


リリアナ「線路を“祈るもの”から、“教えるもの”へ――。

  時代が動き始めているのかもしれません。」


中庭の奥で、学生たちが整列して発車笛の練習をしている。

「ピィッ!」と吹くたび、空気が少しだけ震え、

その音がまるで校舎全体の鼓動のように響き渡った。


悠真は思わず笑う。


悠真「まるで鉄道そのものが、学んでるみたいだな。」


その時、遠くのレールの上で一羽の蒸気鳥が羽ばたいた。

白い蒸気が空に溶け、校章の上で輪を描く。

まるで、新しい鉄道の時代の幕開けを告げるように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ