表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界鉄道ゆる建設記 ~鉄道マニア、線路で世界をつなぐ~』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/94

2. 招待状の到着

昼下がりの駅舎に、カサカサと羽音が降りてきた。

空を切り裂くように舞い降りたのは、一羽の郵便魔導鳩。

翼の根元に金色の筒をくくりつけ、まるで使命を果たすかのように、悠真の前にポトリとそれを落とした。


悠真「……また修理依頼か? 最近、線路に“祈祷の彫刻”刻む人多いんだよな……」


リリアナ「違います。これはギルド本部の印章です。」


リリアナが手袋を整え、筒の封を慎重に解く。

赤い封蝋には“車輪と翼”――鉄道ギルドの紋章。

空気が、少しだけ張り詰めた。


彼女は背筋を伸ばし、荘厳に文面を読み上げる。


『アカデミー・オブ・レール――新設学園にて、技師・講師としての任を拝命す。

希望支線建設主任・悠真殿、並びに補佐官・リリアナ殿へ。』


悠真はしばらく固まった。

その横顔を、リリアナがちらりと見つめる。


悠真「……講師? 俺、教育免許とか無いけど?」

リリアナ「“実務経歴三ヶ月以上”が条件らしいですよ。つまり、あなたの線路が教科書ってことです。」


悠真「……つまり、“希望支線の現場”が講義内容になるってことか。」

リリアナ「そう。あなたが敷いたレールが、未来の授業になるんです。」


その言葉に、悠真は思わず線路の方を見やった。

陽光を反射する銀の帯が、村の外れまでまっすぐに伸びている。

あの線の向こうに、今度は“教えるための線路”が続くのだろう。


悠真「……なるほど。次の目的地は、“教室”か。」


リリアナは少し微笑み、帽子のつばを押さえた。


リリアナ「ええ。鉄道は、人の心を運ぶ道――その原点を教える場所です。」


二人の足元で、風が線路を渡り、鳩の羽が舞い上がる。

それはまるで、新しい旅路の切符が切られた合図のようだった。


――“アカデミー・オブ・レール”。

そこで、また新たな“鉄の物語”が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ