【E. エピローグ:走り出した夢】
夕暮れの風が吹き抜ける。
黄金の光の中、ルミナ号がゆっくりと交易都市の駅へと滑り込んだ。
まだ整備途中のホーム。
けれど、そこには人が溢れていた。
村から駆けつけた者、都市の商人、神官、子どもたち――
誰もが目を見張り、鉄の車両を見つめている。
「動いてる……鉄が……走ってる……!」
「伝承の“鉄の舟”が、現代に……!」
拍手が湧き起こる。
歓声が、ルミナ号のボイラーに反響し、まるで祝福の歌のように響く。
リリアナはデッキに立ち、風に髪をなびかせながら微笑んだ。
リリアナ「まさか……本当に走るなんて。」
悠真「線路は裏切らないですから。」
短くも確かな言葉。
悠真の手には、まだススの跡が残っていた。
それが、彼の“祈り”の形――いや、“努力”の証だった。
ルミナ号の車輪が静かに止まる。
汽笛の余韻が空へと消えていき、風の中に静寂が戻る。
そして――
視点が高く、さらに高く、空へと引いていく。
村と都市を結ぶ一本のレールが、地を走る光のように輝いていた。
それはまるで、この世界に新たな“心臓”が生まれたかのように――
トクトクと、確かに“未来”を脈打っていた。
「――希望支線、開通。」
夕陽の中、再び汽笛が遠くで鳴る。
夢が、走り出した音だった。
列車の影が、夕陽の彼方へと伸びていく。
やがて光の中に溶け、汽笛の余韻だけが風に残った。
その静寂の中――
画面下に、淡い文字が浮かぶ。
――“アカデミー・オブ・レール”編、開講。
鉄道を学び、信仰を超える者たちの学園、開校。
遠くの空で、もう一度、汽笛が鳴る。
まるで次なる旅の始発を告げるように。
「次の停車駅は――未来。」
光のレールが、まだ見ぬ大地へと伸びていった。




