【D. クライマックス:未来へ伸びる線】
夕陽が、黄金の波のように草原を染めていた。
ルミナ号はゆるやかな勾配を登り、村の屋根が遠ざかっていく。
その背後には――きらめく銀の線。
まるで空へ伸びる“光の帯”のように、レールが地平線へ続いていた。
悠真は運転席から前方を見据え、そっと息を吐く。
悠真「行こう。未来へ――線を伸ばすために。」
リリアナは静かに頷き、車掌笛を胸に当てる。
瞳には、もう迷いはなかった。
リリアナ「……進行、希望支線《ルミナ号》。目的地――まだ見ぬ地平線。」
笛の音が、空へ。
次の瞬間、汽笛が重なり、天を裂くように響き渡る。
――ポォォオオオ……
光が弾け、ルミナ号の輪郭が一瞬だけ翼のように広がった。
風が逆巻き、車輪の火花が光の羽となって散っていく。
その輝きは、遠く離れた古代神殿の壁を照らした。
そこに刻まれた“車輪の紋章”が、千年ぶりに淡く点灯する。
ゴウン……と、重い音。
まるで封じられた神々が、再び目を覚まそうとしているかのように。
リリアナは、その光景を見上げながら小さく呟く。
リリアナ「……本当に、鉄の神々が――走り出したのですね。」
悠真は笑う。
悠真「いいや。走らせたのは、俺たちだ。」
夕陽の中、ルミナ号は光の尾を引いて走り続ける。
希望の支線が、未来へ――真っ直ぐに延びていった。




