表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界鉄道ゆる建設記 ~鉄道マニア、線路で世界をつなぐ~』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/94

第5話:希望支線、手作りで開通! ―テーマ:夢が走り出す瞬間、そして封印された神話の再起動―【A.開通前夜】

夕暮れ。

茜色の空の下、村外れのレールがかすかな輝きを帯びて伸びていた。

草の香りと鉄の匂いが混じるその場所で、悠真とリリアナ、そして村人たちが最後の確認をしている。


木で組んだ簡易ホームには、花飾りが揺れていた。

手作りの信号柱、手彫りの駅名板――そして、村人総出で磨き上げた魔導機関車“ルミナ号”。

その側面には、子どもたちが描いた“光の紋章”が淡く光っている。


悠真は工具を片手に、最後の調整を終えると深呼吸をした。


「よし、これで線形も問題なし。電力供給は……魔導変換炉、正常稼働。」


リリアナは書類の束を抱え、少し困ったように眉を寄せる。


「神官の許可印はまだですが……まあ、“神の許可”は鳴るでしょう。」


悠真は苦笑して肩をすくめた。


「物理的な意味で鳴られると困るんだけどな。」


周囲では、村人たちがわいわいと動き回っている。

柵を立てる者、旗を掲げる者、そして子どもたちは紙で作った車掌帽を被って――


「発車ー! 発車しまーす!」


と、声を合わせて遊んでいた。

その光景に、悠真はふっと笑みをこぼす。

誰も“鉄道”というものを知らなかった村で、

いま、その言葉が“夢”として根付こうとしている。


リリアナが懐から古びた帳面を取り出す。

「運行記録書」と記されたその表紙は、千年前の文献を写したものだ。

彼女は一歩前へ出て、夕陽を背に厳かに宣言した。


「この列車、“希望支線ルミナ号”。――運行を宣言します。」


その声に、風が応えるように線路を渡っていく。

草原の向こうまで、どこまでも続く“鉄の道”の上を。


まるで大地そのものが、新しい鼓動を刻み始めたかのように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ