【G. 締め:再会の約束】
朝靄の村。
まだ露に濡れた石畳の上を、悠真はギルド支部から歩き出していた。
背には工具袋、手には簡易設計図。
新しい線路を――この世界に再び描くために。
悠真「さて……今日も地形調査から始めるか。」
その背に、静かな声がかかる。
リリアナ「……お待ちなさい。」
振り返ると、支部の扉の前に立つ少女。
朝の光を受けて、リリアナの帽子の紋章が淡く光っていた。
リリアナ「あなた、本気で……鉄の道をもう一度通したいのですね。」
悠真は一瞬、驚いたように目を見開く。
だがすぐに笑みを浮かべ、真っ直ぐに答えた。
悠真「もちろん。鉄道は――命を運ぶ道だから。」
リリアナはその言葉を、静かに胸の奥で反芻した。
それは、彼女が長く忘れていた“誇り”の響きだった。
やがて彼女は、深く一礼する。
今度は形式ではなく、心からの礼として。
リリアナ「……では、次の停車駅まで。同行を許可します、レールメイカー。」
悠真「レールメイカー……ね。いい響きだ。」
二人の視線が交わり、微笑み合う。
陽光の中、歩き出す二人の影が――草原に続く錆びたレールの跡と重なる。
遠くで、風が鳴った。
それはまるで、目覚めかけた鉄路の“汽笛”のように。
悠真「行こう。始発は、もう鳴ったみたいだ。」
――次の停車駅、“再生”へ。




