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347 誰が入るか
勇者の封域――その禍々しくも神聖な入口を前に、トランは……
「んじゃ、ベルグ。俺は行くけど、お前も来るか?」
「……さすがに僕は遠慮しておくよ。やるべきこともあるし、何日拘束されるかも分からないからね」
ベルグは苦笑いする。
「ははは、確かに。」
トランは納得したように笑う。
…
今度は隣に立つアレフへと視線を移した。
「王子、一緒に入るか?」
あまりに唐突な誘い。
「えっ! わたしですか……!?」
自分が指名されるとは微塵も思っていなかったアレフ。
素っ頓狂な声を上げる。
傍らのダルグも驚愕に目を見開く。
ベルグは……ただ静かに、二人のやり取りを見守っていた。
「私は……」
アレフは言いよどみ、視線を落とす。
一瞬だけベルグの顔を見たが……
「……」
沈黙が流れる。
やがて、アレフは顔を上げる
何かを決意し
「私は……トランさんについて行きたいです!」
「――わかった」
トランは短く答え、口角を上げる。
…
…
「トラン。アレフ王子のこと…」
「ああ」
二人は視線を一瞬合わせる。
…
アラグとトランそして王子アレフは封域に消えていく。
トランは何故アレフを誘ったのか
ベルグは何故、王子の同行を許したのか




