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事前準備

 無数の光の筋によって止めを刺されたグリムリーパーは灰になって消えていった。


「えっと、その《メテオラスラッシュ》っていつの間に使えるようになったの?それと《剣聖術》の技で合ってる?」


「結構前から使えたです。それと《メテオラスラッシュ》は《剣聖術》のレベル4の技です」


 結構前からとは言うが、俺の前では使った事はなかったはず。《剣聖術》レベル4の技か、そういえば前に《剣聖術》レベル5にしたとか聞いたような覚えが……。それにしてもスキルレベルや獣人の基礎能力からすると近接戦はアペルが一番強いのではないだろうか。


「むー、良い所持っていかれた」


 ソフィアが悔しそうにしながら近付いてきた。リベンジだったから自分で止めを刺したかったのだろう。俺は《フレイムブレス》がアペルのおかげでクリーンヒットしたのでそれで十分スッキリした。ソフィアも渾身の一撃の《アイスランス》で満足してくれれば良かったのだが、不完全燃焼気味で駄目みたいだ。とはいえ、前回苦戦したグリムリーパーがこんなにもあっさり倒せてしまうとは思わなかった。


「対策さえしっかりしていれば、こうも簡単に倒せるようになるんだね」


「ええ、対策は大事ですね。今回、そのおかげで私は何もやる事がなかったですが」


 シェリーも前回あれだけ痛い目を見た敵をあっさりと倒してしまったので、若干腑に落ちないといった表情をしていた。でもシェリーの言うとおり対策は大事で、次からは事前に情報を集めてから進んでいこう。命の危険があるのでネタバレは嫌だとか言ってられそうにない。


 21層のホワイトゲートまで移動して一度休憩を取った。次の22層の事を調べる為に冒険者の心得(中級)を取り出しページを捲る。冒険者の心得(中級)によると22層は洞窟のフィールドらしい。出現するモンスターはあの牛の怪物でお馴染みのミノタウロス、それ以外はボスを除き出現しないらしい。《斧術》のレベル8と《火魔術》レベル5を所持しているらしく、その巨体から繰り出される怪力任せの攻撃には並の冒険者では歯が立たないらしく、壁役の前衛が吹き飛ばされるのはよくある事なのだそうだ。


「次の階層はミノタウロスらしいよ。かなり力が強いらしいから、基本相手の攻撃は回避でいった方が良さそうだね」


「力の強い敵は動きが遅いから大丈夫」


 確かに相手の攻撃を回避する、スピード型の俺やソフィアは大丈夫だろうが、バランス型のアペルが盾で受けた時にどうなるかだな。吹き飛ばされるくらいに協力であれば、俺達の場合避け損ねると致命傷になりかねない。


 それとは別にボスの情報も載っていた。22層のボスはジャイアントサーペントと言うらしい。スキルは《土魔術》のレベル10を所持していると記載されていた。


 ジャイアントサーペントは広い場所で遭遇したならば戦いやすいのだが、狭い通路で遭遇した場合は、その通路全体をジャイアントサーペントが埋め尽くしている為、やり過ごす事が出来ないらしく、戦いやすい広間までの撤退を推奨と書かれていた。但し、逃げる際は《アースクエイク》と《グラビティフィールド》には気を付けるようにと注意書きもあった。確かに逃走中に地面を揺らされたら転倒するかもしれないし、重力を増加されたら動きが鈍って逃げ辛くなる。ちゃんと対策を考えておこう。


「ボスはジャイアントサーペントだってさ。狭い通路で遭遇したら、基本広間まで撤退してそこで戦うらしいよ」


「蛇なら胴体を狙えば楽勝です」


 アペルの言う通り全長の長い蛇みたいな相手だと、噛みつかれるか締め付けられるかのどちらかだろう。広間ならその胴体を狙いやすいが、狭い通路だと相手と正面きって戦わなくてはならず、噛みつかれる可能性が高くなる。先人の教え通り、ジャイアントサーペントは見つけたら広間まで撤退でいこう。


 これで22層の予習は大丈夫かな。休憩を終わりにして、俺達は22層へ向かったのだった。

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