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リベンジ

「皆、破魔の羽根飾りはちゃんと装備した?」


 俺が確認をすると皆が頷いて、胸元からペンダントになった破魔の羽根飾りを取り出して見せてきた。


「うん、大丈夫だね。それじゃ21層はホワイトゲートを目指すんじゃなくて、まずはグリムリーパーにリベンジするという事で良いんだよね?」


「うん、もう簡単にはやられない」


「問題ありません」


「今日は役に立てるはずです」


 各々前回の反省を踏まえて挑む気満々だ。とはいえ前回の敗因は《怨念魔術》の対応策が何もなかった事によるものだ。今回は対抗策も用意済みだし大丈夫だろう。俺達はダンジョンに入るブラックゲート前で装備の最終確認をして21層に向かった。


 21層に転送され廃墟の中を進んでいく。道中に出てくるレイスを見てもアペルは叫び声を上げる事はなく、次々と現れるレイスに黒蟹の剣を振るって殲滅していく。


「アペル、確か黒蟹の剣って属性なかったと思うんだけど」


「はい、属性ないです」


 俺は気になった事を口にしてアペルに問い掛けてみたが、やはり黒蟹の剣には属性がない。なら、どうしてその剣で《霊体》持ちのレイスが斬れているのか気になった。


「こうやっているです」


 アペルは俺に剣が良く見えるように目の前にかざした。普通の剣にしか見えなかったが、すっと剣の裏側から黒い影が伸びた。


「これってもしかして《シャドウエッジ》?」


「ですです」


 剣で斬り裂いているのだと思ったら、実は剣の裏側に《シャドウエッジ》がぴったりとくっ付くように重ねていて、それで斬り裂いていたらしい。確かに普通の属性のない剣では素通りしてしまうから、これならば問題なく戦える。


「こんな事良く思いついたね」


 ある意味闇の魔法剣と言っても過言ではないのではないだろうか。属性剣ではなくて魔法剣っていうのがまた格好良くて羨ましい。《闇魔術》俺もレベル上げようかな。でもまずは《双剣術》のレベルを上げるのが先だろう。


「しーちゃんと屋敷の中でゴーストと戦ってる時に思い付いたです!」


「屋敷内で火事になりますから《火魔術》は使えないですし、《闇魔術》の《シャドウエッジ》を多用していたら閃いたみたいです」


「なるほどね。俺も出来れば真似したいよ。でもまずは《双剣術》のレベル上げが先だけどね」


 俺のツインエッジは属性がないから《霊体》持ちのモンスターにはまったく歯が立たない。なので今はダークネスダガーを両手に持って戦っているが、《霊体》を持っていないモンスターにはツインエッジに持ち替えている。俺が同じように《シャドウエッジ》を使えれば、ツインエッジを装備したまま《霊体》持ちのモンスターと戦えるようになり、わざわざ持ち替えをしなくて済むのだ。


 そんな事を考えながら廃墟の中を進んでいくが、お目当てのグリムリーパーが姿を現してくれない。他にひと気もないし倒されているって事もないとは思うのだが、一度ホワイトゲートの方へ行ってみる事にした。もし俺達が撤退した後に誰もこの階層に来ていなければ、前回戦った場所周辺にまだ居るのかもしれないと思ったからだ。そして前回戦った場所の近くまで来た所で、ようやくお目当てのグリムリーパーを見つけた。


「居たよ。俺とソフィアで囲んでシェリーは援護、アペルは遊撃と何かあった時のフォローに回って。後は《ソウルドレイン》を喰らわないように相手に触られないように注意ね」


「うん、分かった」


「分かりました」


「了解です」


 一応今回は破魔の羽根飾りがあるので大丈夫だとは思うのだが、俺とソフィアが戦闘不能になった時を考えてアペルを遊撃として残しておく事にした。


「それとまだ見た事はないけど《怨念魔術》レベル10だともう1つ《ソウルブレイカー》っていう魔法も使えるらしいからそれも注意ね。その魔法は別の攻撃で与えた時の痛みが倍増するらしいから、出来る限り相手の攻撃は避けるようにしてね」


 追加で他の魔法の注意もして、俺達はグリムリーパーと戦うべく駆けていった。


「グラビティフィールド!!」


 今回は様子見などせずに始めから全力をもって攻撃する。前回の戦いで《グラビティフィールド》からの《フレイムブレス》で相手が対処しきれないのは分かっていた。


「フレイムブレス!!」


 前回同様グリムリーパーが大鎌を高速回転させ、盾のようにして《フレイムブレス》を防いだが、そこへ遊撃のアペルが接近していった。


「シャドウエッジ!!」


 俺の炎の明かりで出来たアペルの影から黒い刃が飛び出し、グリムリーパーの手を切断していった。盾のなくなったグリムリーパーは《フレイムブレス》の火炎をまともに浴び、その身を焦がしていく。


「アイスランス!!」


 俺が動きを止めているうちにソフィアが魔力循環による威力を高めた氷の槍が地面から突き出し、グリムリーパーを串刺しにした。身動きの取れなくなった所をアペルが跳び上がり《シャドウエッジ》を纏った剣で追撃する。


「メテオラスラッシュ!!」


 え、何その技。初めて見るんですけど。アペルの振りかざした黒蟹の剣をグリムリーパーに斬り下ろすと、上空から無数の光の筋がグリムリーパーに襲い掛かり粉々にしていったのだった。

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