表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/183

守護者戦

 いよいよホワイトゲートが近付いてきた。だが守護者らしいモンスターは見当たらず、ホワイトゲートまで残り200メートルくらいの距離まで近付いた時、それは起きた。ホワイトゲートの周りに結界みたいな物が張られ、地面には幾何学模様が描かれた魔法陣がゆっくり回転していた。そして魔法陣がゆっくり上昇していく中、その中からモンスターらしき生物の足元が見え、頭の方にかけて全容が明らかになっていく。


 姿を現したのはすごく大きい狼だった。今までのウルフ系は大体1メートルくらいの高さだったが、この守護者の狼は軽く3メートルくらいはありそうな大きさだ。《鑑定》すると巨大な狼の名称はジャイアントウルフ。スキルは持っていないみたいだが、ステータスが高めで俺達より上だった。


「ジャイアントウルフはスキルはないけど、俺達よりステータスが上だから気をつけて。それじゃ行こう!」


「うん、わかった!」


 ソフィアと二手に分かれて俺がジャイアントウルフの前方、ソフィアが後方に位置取りしジャイアントウルフを挟撃する。


「フレイムブレス!!」


「ライトニングボルト!!」


 俺の《フレイムブレス》を見てジャイアントウルフは避けようとするが、ソフィアの《ライトニングボルト》を喰らい動けなくなった所に《フレイムブレス》が直撃する。大きい分当てやすいかもしれない。ただ相手もステータスが高い為、使い所を間違えたら普通に避けられてしまうだろう。


 あれ、結構ダメージ入っているみたいだ。範囲はそこまで大きくないが《フレイムブレス》が当たった所は焼け焦げていて、ジャイアントウルフは苦しそうにしている。そこに更に追撃で《フレイムブレス》をジャイアントウルフに放つが、これは警戒されていたのか避けられてしまう。とりあえずジャイアントウルフのステータスが高いために接近戦より魔法主体で戦っていく事にする。


 単体魔法だと避けられる為に範囲魔法に切り替え、ソフィアが《ウィンドストーム》を使う。ジャイアントウルフを暴風が包み込み細かい切り傷を作っていく。巨大な身体で体重もある為か地面にしがみ付いて耐えている。そこに更に《エクスプロージョン》を打ち込み爆発が起きる。煙で視界が一瞬塞がれるが暴風の余波ですぐに視界が晴れた。だがその一瞬を利用してジャイアントウルフがソフィアに目標を変えて攻撃を仕掛けていた所だった。


 ソフィアは煙の中から飛び出してきたジャイアントウルフを避けようとするが間に合わず、その前足の鋭利な爪がソフィアの脇腹を切り裂いていく。


「ソフィア!」


 俺はソフィアを助ける為に駆け付けようとするが、ジャイアントウルフが近付けさせないように邪魔をしてくる。ソフィアは腹部から出血していて、何度も名前を呼ぶが反応もなく、意識を失っているようだった。早くソフィアに《治癒》をしてあげたいのだが、ジャイアントウルフがそれをさせてくれず、このままではソフィアが死んでしまう。


「そこを退けえええええぇぇぇぇ!!」


 防具で上乗せされた速度に任せて突っ込む。ジャイアントウルフの腹の下に入り込み、無防備な腹目掛けて《クロスインパクト》を叩き込む。左右交互に繰り出される8連撃がジャイアントウルフの腹を切り裂いていく。全てを叩き込むとジャイアントウルフを無視してソフィアの所まで全力で駆け寄り《治癒》を使う。傷が消えるのを確認してから振り向くと、ジャイアントウルフは腹を切り裂かれて地面に横たわっていたが、ふら付きながらゆっくりと起き上がってきた。


 まだ戦意があるのかジャイアントウルフは遠吠えをして威嚇をしてくる。俺はジャイアントウルフからソフィアを守るように間に立ち、遠吠えのお返しとばかりに《フレイムブレス》を幾つも放つ。ジャイアントウルフは避ける力も残っていなかったのか、幾つもの《フレイムブレス》をその身に喰らい灰になっていった。


「ん、……ジャイアントウルフは?」


「ソフィア!無事で良かった!!」


 ソフィアが意識を取り戻し、ジャイアントウルフがどうなったか尋ねてきた。倒した事を伝えて、ソフィアの怪我の方が大丈夫か確認をする。ソフィアは自分の腹部を触ってみるが、痛みなど感じないようでふら付く事もなく立ち上がった。


「ショウジ、足引っ張ってごめんなさい」


 何を言っているのだろう、俺がプリメラさんの言った事をもっとよく考えて、人数も少ないのだからしっかりレベルを上げてから、守護者と戦うべきだったのだ。悪いのはソフィアじゃなくて俺だ。


「俺もごめん、ソフィアを守れなくて。もっとプリメラさんから守護者の話とかをちゃんと聞いておけば良かった」


「私は死んでない。ショウジはちゃんと守ってくれた。私の実力不足が原因」


 今回は死なせずに済んだが次もそうとは限らない。俺はモンスターとの戦いが改めて命のやり取りをしているんだと実感した。ジャイアントウルフを倒したからか、いつの間にかホワイトゲートの結界は無くなっていて、ホワイトゲートに入りダンジョンの外に出る。ソフィアは次の階層に行きたがっていたが、先程ジャイアントウルフに深手を負わされて死にそうになっていたのだ。今日は大事を取って、この日の残りは休日という事にした。


 街に戻って宿に帰る。シェリーは買出しに行っているのか不在で、部屋の中には俺とソフィアの2人きり。特に会話もなくテーブルの椅子に座って、沈黙だけが部屋を満たしていた。


 ダンジョンの帰り道からずっと守護者戦の事が俺の頭から離れない。ソフィアは大丈夫だと言っていたが、やはり2人で挑戦するのにはレベルが足りなかったのだろう。仲間がもう1人でもいれば、ジャイアントウルフを俺が抑えている間にソフィアに治療をしてもらえた。レベルも上がりづらくなってたし、どちらかというと仲間が欲しい所だ。とりあえず仲間が増えるまではレベル上げをしっかりやっていこう。うん、ようやく前向きな思考になってきた気がする。 


「ソフィア、ちょっと出かけようと思うんだけど来る?」


「何処行くの?」


「プリメラさんに相談したい事があって冒険者ギルドに行こうかなと」


「わかった。一緒に行く」


 俺とソフィアは帰ってきて早々、冒険者ギルドへ向かって宿を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ