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魔法強化期間

 ソフィアがロックモス相手に接近戦は諦め魔法に専念していると、それが功を奏したのか熟練度が一定値に達したらしく《光魔術》を取得できるようになった。レベルも上がっていてスキルポイントが余っているらしく、また《光魔術》のレベルを一気に上げようとしていたので止めておいた。次は10層で守護者が出るから、それに合わせてスキルレベルを上げられるようにしたほうが良いと助言したのだ。ソフィアは納得して《光魔術》のレベルを1のままにした。


 次は《火魔術》を覚えるらしい。確かに《土魔術》と《闇魔術》は《アースシールド》と《イリュージョン》だから攻撃の魔法ではない。練習するとしたら戦闘時以外だろう。だが《アースシールド》も《イリュージョン》も使い方によっては便利なんだぞ。特に《アースシールド》にはお世話になりっぱなしだ。


 《アースシールド》の素晴らしさをソフィアに説明するが、ダメだった。まずは《火魔術》が取りたいらしい。


 その後もロックモスとの戦闘は続き、遠距離では魔法を、近付いてきたらツインエッジで斬り伏せた。ソフィアも魔法の練習を兼ねて止めに《ファイヤアロー》を使っている。《火魔術》の取得までそう遠くないだろう。


 ロックモスがいつも通り間合いの外を飛びつつ、鱗粉攻撃を仕掛けてくる。《ウィンドスフィア》で効かないのだが、毎回初撃はこれを使ってくる。ジャンプしても微妙に届かない距離で、手が出せないんだよなぁ。毎回魔法で対処っていうのもつまらない。魔法も良いんだけど斬れるなら斬りたい。


 そこで新たに《アースシールド》の運用法を思い付いてしまった。それを見たらソフィアも《アースシールド》を使いたくなるに違いない。まずはロックモスを《フレイムブレス》で片付けて、残りのロックモスに試してみる。


「アースシールド!!」


 通常《アースシールド》は自分の前に設置して相手の攻撃を防御する魔法だ。俺は目隠しに使ったりしていたが、それを今回は踏み台にする。腰を落とし足元から盛り上がってくる《アースシールド》に合わせて跳躍する。微妙に届かなかった距離を埋め、ロックモスに《スラッシュ》を叩き込む。


 ロックモスが灰になるのを見届け、地面に目を向ける。思っていたより高く跳躍したようで地面が遠い。あ、着地どうするか考えていなかった。何とか着地の衝撃を逃すべく、今度は《アースシールド》を斜めに突き出させ、その上に着地すると同時に転がって衝撃を逃がす。完全には逃がせず、暫く地面の上を転がったが、無事地上に生還した。


「大丈夫?」


「な、何とか。でもほら、アースシールド役立つでしょ!」


 危なっかしい事をしたせいか、納得頂けなかったようだ。ごめんよ《アースシールド》、もっと俺にプレゼン能力があれば良かったのに。


 次からロックモスには、無難に魔法で対処していく。もちろん近付いてきた時は、ツインエッジの出番が待っていた。暫く魔法で狩り続け、魔力が少なくなってきたので休憩を取る。ソフィアもずっと魔法を駆使していて、魔力が少なくなっていたみたいで、休憩を取るのに同意してくれた。


 休憩中にスキルを見ていて、《精錬》がある事を思い出した。ソフィアの武器を強化すれば、ロックモスも斬れるようになるのではないかと。ソフィアに短剣を借りて《道具》にしまう。《精錬》すると必要な鉱物は鋼鉄らしい。残念だ、鋼鉄はツインエッジにするのに使ってしまって在庫がない。


 ソフィアに謝って短剣を返す。すっかり自分のスキルを忘れていた。階層も前に比べれば下層に来ているから《採掘》で出る鉱石も良くなっているかもしれない。試しに《採掘》を使ってみる。採取出来たのは鉄鉱石に鋼鉄も混じっていた。


 あれ、鋼鉄出るみたいだ。結構出るようなら必要数集めてソフィアの武器を強化しよう。それからは定期的に《採掘》を使用した。鋼鉄は出る頻度が少なく、なかなか集まらず鉄鉱石だけが溜まっていく。


 大体ゲームとかだと、鉄鉱石から鉄や鋼鉄を作れたりするものだ。取ろうと思って結局取っていない《道具作成》がここで役立つのではないだろうか。スキルポイントは余っていて《道具作成》の消費するスキルポイント分は問題ない。武器が強化されるなら次の守護者戦にも役立つだろう。よし、《道具作成》取ろう。


 早速使ってみる。予想通り鉄鉱石を選ぶと作成出来る物の中に鋼鉄があり、鉄鉱石を10個消費して作れるみたいだ。今ある鉄鉱石を全て鋼鉄にしたとしても、強化に使う為の数に足りない。まだまだ《採掘》しないといけない。欲を言えばもっと数があれば《装備作成》で色々使えるだろう。


 ダンジョンの移動中にもこまめに《採掘》していたおかげか、ようやく強化に必要な分の鋼鉄が溜まり、ソフィアの武器を強化する事になった。ソフィアから短剣を預かり《道具》にしまい、《精錬》を使用して強化する。新しく出来たのはグラディウスだ。《道具》から取り出して《鑑定》してみると、攻撃力自体は前の2倍程あった。あくまで前回の武器は護身用として渡されたものだったし、そこまでの攻撃力はなかったのだろう。


 グラディウスをソフィアに渡し、試し斬りがしたいだろうとロックモスを探す。ロックモスに遭遇するとさっそく《ライトニングボルト》で撃ち落とし、新しいグラディウスでロックモスを斬ろうとする。若干の抵抗はありそうだが、ロックモスの身体に弾かれる事なく斬り裂いた。


 満足してくれたみたいで何よりだ。その後ロックモスを何度も相手し、9層の出口を見つけた。まだ夕方にはなっていないだろうが、ダンジョンに来てから結構時間も経っている。守護者のことも調べたかったので、今日は帰る事にしてダンジョンを出た。

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