↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんは放浪中!  作者: とんぼ。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/25

17.少年と少女は意気投合する

 演目も終わり、日が暮れた頃。


 アリーたちは宿泊用に設けてある『第2テント』へ向かった。そこは男女共に分かれており、眠るスペースほどの小さなテントが点々としていた。


 アリーとレストは男性用のテントへ。サヤは女性用のテントへ向かった。


 『第2テント』内は狭く、腰を屈めかければ入れないほどだ。


 「ふわぁ。それじゃあお休み。レスト君。」

 「おう。おやすみ。おっさん。」


 アリーは簡易的な敷布団に寝っ転がると、すぐさま寝息を立てた。年のせいか、それとも単純な疲れかは定かではない。


 しばらくするといびきがした。鼻や喉の奥から響くような、かなりの大きさだ。


 「………………うるせぇな………。」


 あまりの喧しさに、レストは眠れないとテントを出る。


 夜風が吹く。身体に纏わりつくような不思議な風。彼が今の今まで感じたことのなかった風。

 それは、この世界ではなんの変哲もない自然現象だった。


 居心地の悪さを感じつつ、『第2テント』付近を歩いていると、サヤの後ろ姿があった。何やらひとりでにつぶやいている。


 「…………うわ。私は、………なんかないわ。」


 彼女はどこかへ向かっていらしく、『第2テント』群から離れようとしている。


 「おい。サヤ。どこ行くんだよ。」

 その声に驚いたのも束の間。サヤはすぐさま表情を取り繕う。


 「………別に。特訓よ特訓。」

 「特訓って…こんな夜更けにか?」

 「そうよ。何か文句でも?」


 足を止めずに、言い放つ。


 「文句って…まぁ文句だな。こんな暗いんだ。明日にしろよ。」

 「貴方、私の親か何か?随分、過干渉じゃない。」  


 その言葉に、レストは立ち止まる。


 彼は親などではない。だが、少なくともサヤの知り合いではある。同じく旅をする仲間である。


 「親じゃねぇけど…仲間みてぇなもんだろ。」

 「はっ。仲間ね。青いことを真正面から言うのね。あのおじさん譲りかしら?」

 「お、おっさんは関係ねぇよ!つぅか、あそこまで小っ恥ずかしいことは言わねぇよ!」

 「あら。どうかしらねぇ。貴方も歳を取って若人(わこうど)がどうとか語り出すんじゃないかしら。」


 確かに、おっさんもといアリーはいつも若人(わこうど)がどうとか、そんなことを語っている。それと、自身の身体の不調だとか。

 

 だが、レストはそうはならない。と、思っている。自信はないが。


 「そ、そんなふうにはならねぇよ。………たぶん。」

 「自信なさげねぇ。」

 「それよりあんま言ってやるなよ。おっさんのこと。あいつ、泣いちまうぞ。」

 「泣くって…そんなわけ……いえ。あるわね。」

 「…………だろ。」


 アリーは歳の割に面倒な性格だった。


 年寄りを自称するが、いざ指摘すればいじけて座り込む。あれほど扱いにくい年寄りはいないだろう。


 と、2人は意気投合する。その間にも、夜は刻一刻と深まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。