第212話 第二聖女25
「来ましたわね」
一週間位して、封筒が届いた。
ボク達は神殿の第二聖女控え室にて紅茶を飲んでいたタイミング。
「うん」
机の上に置かれた封筒には封と赤印が。
(早い)
「返答ですの?」
アデリナ様が呟く。
遅く届くように侍女にお願いして、流石に届いているとは思うけれど。
「違う」
ただ、そうじゃない。
紙を見ながらそう思った。
「召集」
「え?」
ロランスが驚いた表情をしている。
彼女も一緒に書類を覗き込んでいた。
「会議?」
「うん」
一拍。
「正式なやつ」
ため息をつきながら、書類を見続ける。
「来ましたのね」
扇子で口元を隠しながら、ゼナイド様が呟いた。
ゼナイド様、今日は時間に余裕があるから神殿にやってきていた。
「第二聖女による越権行為について」
ボクは内容を読んでいく。
明らかにボク達を非難するような内容。
「南区配給混乱の件」
沈黙が流れていく。
「……やはりですのね」
ゼナイド様もアデリナ様も同じ感じだった。
「早いね」
ボクも呟きながら紙を置いた。
「照会より先ですわ。こちらの反論が届く前に」
(届いているかもしれないけれど)
(でも来た)
ボク達の回答なんて気にしていないと思う。
「待ってただろうね」
「え?」
「向こう」
一拍。
「照会来る前に」
「止めたい」
「……なるほど」
アデリナ様が顎に手を当てる。
「責任を固定したいのですわね」
「うん」
ボク達に全ての責任を押し付けるために。
「貴女達も大変になっていますわね」
落ち着きながらもゼナイド様は紅茶を飲んでいた。
ボク達を慌てさせないように。
「これ、まずくない?」
ロランスが不安そうな表情を見せた。
「まずい」
即答する。
「でも」
窓の外を見ながら、呟いていく。
「来たってことは」
一拍。
「困ってる」
向こうが。
だからこそ。
「何を言いますの?」
ゼナイド様が問いかけた。
「向こうの意のままだったのに、ボク達が変えようとしている」
簡単に。
「だからこそ、感情じゃなく」
ボクは三人向かって話す。
「流れで話す」
アデリナ様が小さく笑う。
ボクを見つめながら。
「本当に一貫していますわね」
「うん」
少しはにかみながら、軽く頷いた。
「……ザスキア様は?」
ロランスがふと思い出したように問いかけた。
沈黙がまた控え室に流れていく。
「分からない」
ボク達に全て任せているのだから。
口すら出さずに。
「でも」
状況が変われば、違うかもしれない。
「来る」
見ているだけにならないと思う。
(始まる)
(現場じゃない、上だ)
今度は配給所じゃない、会議室で決まる。
一歩。
「行く」




