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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第213話 第二聖女26

 招集しょうしゅうの会議、意外にも神殿の会議室で行われることになった。

 役所の会議室だったら、相手のペースに持ち込めるかもしれないけれど。

 向こうの余裕なのかな。

 ボク達が会議室に入ってみると、白い壁と長机が目に入った。

 空気は静かだった。

 既に人は集まっている。


(現場じゃない)


 でも。


(同じ)


 流れを決める場所。

 ボクとアデリナ様は席へ座る。

 向かい。

 南区管理局の人間。

 神殿関係者。

 王国側の文官もいる。

 そして。

 上座。

 聖女であるザスキア様。

 ボク達の上司みたいなもの。

 静かに座っている。

 何も言わない。


(見てる)


 神殿側と向かい合う形で管理局側が。

 王国側は下座の辺りに。

 誰もがザスキア様に視線が向いている。

 やがて会議室の扉が閉まった。

 空気が重くなっていく。


「それでは」


 神官が口を開く。


「南区配給混乱に関する会議を開始します」


 空気がさらに締まる。


「まず」


 南区管理局側。

 初老の男。


「第二聖女による無許可流通について確認したい」


 書類を置く。

 視線が来る。


「ポラリス・バルカナバード嬢」


「アデリナ・レーゲンスブルク嬢」


 ボク達に集中していく。


「貴女方は正式許可なく配給経路へ介入した」


 淡々と。

 感情は薄い。


「その結果」


 一枚。

 紙を出す。


「南区では混乱が発生した」


 状況を説明していく。


「列の長期化」


「供給遅延」


「住民不安」


「無秩序な再配分」


 次から次へと一つずつ並べていく。

 ボク達への追及。


(順番)


 ちゃんと決めてきてる。


「加えて」


 さらに紙を出してきた。


「登録外流通」


「無認可物資移送」


「民間商人への直接介入」


「これは明確な越権行為です」


 静かにさらなる罪状を。

 でも。


(止めに来てる)


 アデリナ様は表情を変えない。

 ボクも黙る。

 こんなの罪状じゃない。


「……反論は?」


 神官が問いかけた。

 でも。


「先に確認したいけれど」


 ボクは短く返す。


「何をですかな?」


「止まってた?」


 一拍。


「配給」


 空気が止まる。

 男が少しだけ目を細めた。


「質問の意図が不明です」


「止まってたよね」


 もう一度。


「一部で遅延は発生していた」


 男はため息をつきながら、肯定するように返事をしていた。


「一部?」


 短く返す。

 まるで男は誤魔化している。


「ええ」


 男は頷いていた。


「ですが、管理可能な範囲です」


 まるで問題ないかのように。


(嘘)


 ボクはすぐに思った。

 つまりボク達が関わらなければ、上手くいっているように思わせたいみたい。


「じゃあ」


 ボクは乗り出すように問いかける。


「なんで札あったの?」


 途端に会議室に沈黙が流れる。

 神官が少し眉を動かしている。

 そして王国側が記録を少し止めた。


「……札?」


 神官が怪訝な顔をしていた。


「非公式配給列です」


 今度はアデリナ様が口を開く。


「特定対象へ優先配給が行われていました」


「確認済みです」


 空気が変わる。

 管理局側の男が視線を動かした。


「そのような事実は――」


「ありましたわ」


 否定しようとしたけれども、アデリナ様が被せる。

 途端に男は静かに。

 アデリナ様、強いね。


「現場確認済みです」


 ため息を吐きながら続ける。


「加えて」


 そして紙を出す。


「配給量そのものが帳簿上と一致しておりません」


 王国側文官が反応した。


「……差異があるのですか?」


「ありますわ」


 力強くアデリナ様は頷いた。


「南区へ流れる予定量より、実際量が少ない」


 一拍。


「継続的に」


 会議室が静かになる。


(触った)


 ボクは見ている。

 管理局側の人間の表情が歪んでいる。

 少し崩れた。


「つまり」


 アデリナ様が続ける。


「混乱は、第二聖女によるものではありません」


「既に発生していた問題です」


 神官達が視線を交わす。

 ザスキア様は、ボク達を見るけれどもまだ何も言わない。

 ただ、見ているだけ。

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