第211話 第二聖女24
「……減ってますわね」
翌日、南区の配給所に行ってみると状況は悪化しているのが確実だった。
「うん」
列が昨日よりも長い。
(増えてる)
でも。
(物が少ない)
流れが悪すぎる。
だからこそ、待機している列が長くなっている。
「昨日より人が多いよ」
ロランスが困惑した表情をしながら列を眺めていた。
「うん」
ボクは頭を搔きながら返事をした。
「なのに荷は減ってる」
一拍。
(締めてる)
このままでは、全員に行き渡らないけれど。
ボクはお店へ行って確認していく。
「今日は無理だ」
すると店主はボクに対してそう返事をした。
「え?」
「全部止められた」
店主の顔色が悪い。
どうしたんだろう。
「誰に?」
気にしながらも問いかける。
「……管理側だ」
すると店主は言ってくれた。
ただ周囲を確認しながら、声を落として。
「罰則を出すって」
沈黙がお店の周りを流れていく。
(来た)
ボクは目を見開いて店主の話を聞いていく。
「勝手な流通を続けた場合」
店主は言われたことを話していく。
「営業停止」
次から次へと可能性の在る罰則を話していった。
「罰金」
さらに。
「登録剥奪」
最後に紙を見せてきた。
同じ事が書かれている。
「そこまで?」
ロランスが不安な顔をして話す。
「本気ですわね」
アデリナ様が顎に手を当てながら呟く。
ここまでやってきているなんて。
「遅い!」
配給所に戻ると、配給に並んでいる人が叫んでいた。
子供の泣き声も聞こえている。
「まだか!」
列が荒れ始める。
このままでは、暴力が起こってしまうかもしれない。
「押さないで」
「順番!」
アデリナ様が動く。
落ち着かせようと。
でも。
(限界が近い)
「ねえ、見て」
「何を?」
ロランスがきょとんとしている。
「狙っている」
一拍。
「商人街」
次から次へと。
「孤児院」
「繋いでた場所」
「全部」
(潰してる)
ボク達を壊そうとしている。
「これ、本当に続けられる?」
ロランスが小さい声で問いかけた。
「……分からない」
ボクは言葉を詰まらせながら答える。
即答出来なかった。
「でも、止めたら終わる」
一拍。
「だから」
ここまで来たら動き続けるしかない。
それに待っている人がいるのだから。
「次」
視線を上げる。
「照会、出す」
アデリナ様が頷く。
「ええ」
笑みを見せながら。
「ここで、ですわね」
(来た)
(限界)
(だから)
一歩。
「今度は」
「こっちから行く」




