第209話 第二聖女22
「来ましたわね」
数日後、神殿にある第二聖女の控え室。
ボクは届いた封筒を目にしながら、呟いた。
「何が?」
ロランスが訊いてくる。
「書面ですわ」
机の上にある封の入った書類。
「読む」
ボクが書類を手にする。
「……」
紙に書かれている内容を読んでいく。
「南区配給に関する通達」
タイトルに書かれている内容。
「即時停止を命ずる」
続いて本文。
一拍。
「理由は?」
アデリナ様が訊いてきた。
「規定違反」
短く。
「またそれ?」
ロランスが呆れたように言った。
「うん」
(中身、ない)
「発行元は?」
アデリナ様が問いかける。
「南区管理局」
一拍。
「神殿名義ではありませんわね」
むしろそれだったら、部屋を飛び出して抗議出来たと思う。
「うん」
(でも、近い)
「従いますの?」
アデリナ様が対応を訊いてきた。
「どう思う?」
ロランスも同様に。
「……止めたら」
ボクは考えを述べていく。
「終わるよね」
「だね」
ロランスが短く返事をする。
「形式上は」
今度はアデリナ様が意見を述べていった。
「従うべきですわ」
一拍。
「ですが」
それでも否定するように付け加えているけれど。
「内容が薄い」
冷たく書面に向かって言い放っている。
「責任主体も曖昧」
紙をもう一度見る。
「強制力が弱いですわね」
「うん」
ボクはただ頷いた。
「やること、同じ」
「回す」
ボクは淡々と。
「無視?」
ロランスが訊いてくる。
「違う」
それを否定する。
「見る」
「え?」
「どう来るか」
軽く目を閉じながら伝えていく。
「つまり」
「こちらが動いた場合の反応を見る」
ボクの考えが分かったみたいで、アデリナ様が話していく。
「うん」
「次の圧を引き出す」
「うん」
ボクは頷いていく。
「でも」
「危なくない?」
ロランスが不安そうな眼差しでこっちを見ている。
「危ない」
「でも」
「止めたら終わり」
一拍。
「回る方を取る」
困っている人達がいるのだから。
「では」
「書面は保留」
アデリナ様がはっきりと言い放つ。
「照会中として維持させて」
「時期が来たら、正式な照会を返します。回答までは現場判断を継続」
「現場は継続」
「うん」
(来た)
息を吐きながら考えを纏める。
(でも弱い)
(次が本命)
一歩。
「押す」




