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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第202話 第二聖女15

「……こっちは普通ですわね」


 北区を眺めながらアデリナ様が呟いた。

 南区と違って、人も物も流れている。


「うん」


 ボクは短く答える。


(ある)


 物はある。

 ボク達は歩きながら探していく。


「どこ行くの?」


「余ってるとこ」


 パン屋。

 果物屋。

 総菜。


(売れ残り)


「ここ」


 一軒のお店。


「もう売り物はないよ」


 店主はそう告げてくる。


「知ってる」


 頷いた。

 だからこそ。


「残り、あるよね」


「……あるが」


 警戒されている。

 それでもボクは続けた。


「毎日」


「え?」


「毎日、引き取る」


 一瞬、空気が止まる。


「今日だけじゃない」


「明日も」


「その次も」


「残った分だけでいい」


 孤児院で行ったときと同じように、ボクは言っていく。

 何故か慣れてしまっていた。


「……儲けにならん」


 店主の反応も同じだった。


「減る」


 即答して、メリットを伝える。


「廃棄が」


「記録を残しますわ」


 アデリナ様が続けていく。


「提供量、日付、店名」


 内容を簡潔に。


「王都での信用になります」


「全部は払えない」


 ボクは告げていく。


「でも、ゼロじゃない」


「足りない分は」


 一拍。


「後で回収できる形にする」


 ボクは淡々と話していく。


「……面倒だな」


「やる」


 軽く意気込む。


「ボクが書く」


 紙を持ちながら。


「毎日」


「……いいだろう」


 店主は頷いてくれた。


「どうせ捨てるだけだからな」


 呟くように答える。


「今日の分、持ってけ」


 交渉成立。

 ここでも上手くいった。

 籠の重さを感じる。

 思ったよりも多く感じる。


「明日も来い」


「うん」


 ボクは頷いた。


「他も行く」


「え?」


「全部、繋ぐ」


 アデリナ様に話していく。


「……流れを増やすのですわね」


 すぐに理解してくれた。


「一箇所だけじゃ足りませんものね」


「うん」


「止まらないように」


 ボクは呟く。


(増えた)


 一箇所。

 でも。


(回る)


(繋がる)


 南区まで。

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