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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第201話 第二聖女14

「次、やる」


 ボクはアデリナ様にそう告げる。


「もう動きますの」


「うん」


 ボクは頷いた。

 こういったのは、迅速なのが良いのだから。


「何を作るのかしら?」


「流れ」


 一言伝える。


「どうするんだ、これ」


「進まないぞ」


「まだなのか」


 人々がざわついて、不満の声が聞こえてくる。

 列はあるのに、流れがない。


「配れねえぞ」


「誰に渡すんだ」


 少しずつ声が大きくなろうとしている。


(止まっている)


 ボクはそこに入った。


「止まらないで」


 短く、全体通る声で。


「え?」


「でも……」


 困惑する声が。


「配る」


 一拍置いて、言葉を続ける。


「今ある分だけ」


 ボクは周りを見回して、指示を出す。


「そこの人」


「俺か?」


 役人に向かって声を。


「手、止めないで」


「次」


 短い言葉だけれども、指示を。


「は?」


 一瞬、言葉が出てこないみたい。


「順番の通りでいい」


 ボクは淡々と。


「迷わないで」


 伝えていく。

 役人は迷いながらも手を動かしている。


「アデリナ様」


「ええ」


 今度はアデリナ様へ指示を伝える。

 彼女は頷いて動いていく。


「列、整えて」


 指示を出していって、動かした。


「押さないように」


「任せてくださいませ」


 アデリナ様は秩序の担当として。


「そっちの人」


 今度は周囲の一般人に指示を出していく。


「受け取ったら、すぐ後ろに」


 簡潔な言葉で。


「止まらないで」


 流れをはっきりさせていく。


「一人、一回。戻らない、並び直さない」


 簡単なルールを伝えていった。

 やがて配給が再開されていった。

 一人、二人、三人。

 止まっていた手が、動く。

 遅いけれども、動いている。


「少ないぞ!」


 列の男性から声が飛んでくる。


「分かってる」


 ボクは即答した。


「でも動いてる」


「さっきよりマシだ」


 ただ、さっきよりも少しだけ怒りは落ち着いているようだった。


「でも止まらない。それだけで違う」


 強い感情は起こらないで、淡々と返事をする。


「……なるほど」


 アデリナ様が小さく呟いた。


「完璧じゃなくても、流すのですわね」


「うん」


 簡単に理解したからか、頷いた。

 それが”維持”。

 それが”形”。


「これで終わりじゃない」


 ボクは独り言のように言葉を。


「次、増やす」


「どうやって?」


 アデリナ様はまた訊いてくる。


「外から」


 一拍。


「繋ぐ」


 流れは遅い。

 でも、止まっていない。


(回ってる)


 ボクは周りを見ていく。

 人、手、動き。


(これでいい)


 軽く頷く。


(止まらないなら)


 完全じゃない。

 でも回る。

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