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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第196話 第二聖女9

「引きずり出す」


 その一言で、空気が変わった。


「……どうやって?」


 アデリナ様。

 ボクは少しだけ視線を動かす。

 列。

 札。

 荷車。


(条件)


 見えてる。


「混ぜる」


 短く。


「全部」


「全部、ですの?」


「うん」


 頷く。


「分けてるから、見えない」


 一歩前に出る。


「なら」


 一拍。


「分けない」


 それだけ。


「全員、こっち」


 声を上げる。

 裏の列だけじゃない。

 表も。


「一列に」


 ざわつく。


「え……?」


「いいの?」


「順番は?」


 声が重なる。


「いい」


 短く。


「今から、同じ」


 それだけ。


「やめろ!」


 役人が踏み込んでくる。


「それ以上は――」


「無理」


 被せる。


「もう混ざってる」


 実際、崩れている。

 列。

 順番。

 全部。


(戻せない)


 役人の顔が歪む。


「ポラリス嬢」


 アデリナ様。


「責任は?」


「取る」


 即答。


「第二聖女として」


 視線を上げる。

 役人を見る。


「問題ある?」


 静かに。

 逃がさない。


「……混乱が起きる!」


「起きてる」


 即答。


「もう」


 一歩。


「見てる」


 周囲を示す。

 人。

 流れ。

 止まってる。


「だから、動かす」


 その時。

 奥。

 荷車が止まる。

 運んでいた男が、動かない。

 視線が揺れる。


(迷ってる)


 来る場所じゃない。

 でも、来た。


「ねえ」


 小さく。


「それ、どこに運ぶの?」


 男は答えない。

 代わりに。

 視線。

 役人へ。


(そっち)


 ボクは見る。


「指示、誰?」


 役人に。


「……」


 答えない。

 でも。

 一瞬。

 後ろを見る。

 さらに奥。


(いる)


「来てるね」


 ぽつり。


「上」


 短く。

 足音。

 硬い。

 整っている。

 止まる。


「何をしている」


 低い声。

 振り返る。

 役人とは違う。

 衣。

 徽章。

 位置。


(上だ)


「混ぜただけ」


 ボクは言う。

 視線を合わせる。

 逸らさない。


「規定違反だ」


「どの?」


 即。

 同じ。

 でも。

 今度は違う。


「……配給対象の選定は、既に完了している」


 言った。

 初めて。


(出た)


「選定?」


 アデリナ様。


「誰が?」


 静かに。

 でも、深い。


「神殿の判断だ」


 短く。

 切る。


(嘘)


 ボクは思う。

 即。


「じゃあ」


 一歩。


「なんで札あるの?」


 空気が止まる。


「神殿なら」


「全員でしょ」


 続ける。


「選ばないでしょ」


 沈黙。

 長い。


「……」


 男は答えない。

 でも。


(違う)


 確定。


「分かった」


 短く。


「神殿じゃない」


 一拍。


「誰かが決めてる」


 視線がぶつかる。

 逃げない。


「誰?」


 静かに。

 その瞬間。

 空気が変わる。

 止まる。

 流れが。


(触った)


 ボクは、少しだけ笑った。


「出てきて」


 短く。


「もう、隠れてない」

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