運命なんて信じません
「うっきゃぁぁぁぁぁぁ!」
二階の事務所のソファーで寝ていたのだがその悲鳴で飛び起こる。
「何だ?何があった?」
思わず【アイテムボックス】から剣を取り出して周りを観察するがいつもの事務所で争いの雰囲気などみじんも感じない、そんな中三階・・・天上から何やらどたばたとした音が響いてくる。
・・・・ニレニアが目を覚ましたか・・・・アイツ帰れないほどに呑んで仕方ないから俺のベッドを貸してやったんだが・・・・・・・
「ルゥクゥスゥゥゥゥ!」
三階から二階に繋がる階段を勢い良く降りてきたニレニアが俺の姿を見つけ、いきなり胸ぐらをつかんで俺を睨んできた。
「おう!おはようニレニア」
「きききき」
「は?」
呑みすぎて壊れたか?やばいな・・・・・今日から護衛なのに・・・・
「私昨日なんか言った?」
真っ赤な顔をしながらも睨んでくるニレニアを見、ため息を一つつく。
「お前少しは呑む量考えろよ?さすがにガチ泣きは引いたぞ?」
「ガチ泣きって・・・いやぁぁぁぁ!」
頭を抱えてしゃがみ込むニレニアを生暖かい目で見ながら話を進める。
「んで昨日帰れそうになかったから俺の部屋に運んで寝てもらった」
「あしょこってるくしゅの部屋・・・・・るくしゅの使っているベッド・・・」
頭を抱えたまま固まっているニレニアを放置して一階に降りテリスの正面に座りテリスを睨む。
「お前昨日俺を見捨てたな?」
「見捨ててないですよ?二人でごゆっくりと思って」
「お前視線をそらしながらしゃべるなよ」
こら!口笛を吹く真似をするなよ音が出てないぞ!!
ため息をつきながら文句の為だけに此処に来た訳じゃないのでそっちの用事も済ませる。
「全く・・・・今日からの護衛の情報をくれ」
「わかりましたマスター、依頼内容はメレーネ女学院の旅行に護衛として着く事です、4クラスのお移動の護衛で馬車20台による大移動となり、【ローレライ】の受け持ちはクラス青薔薇です」
「受け持ち?他にもギルドが来るのか?」
確かに大移動で護衛が必要で俺達だけでは手が回らないだろう、複数のギルドに依頼を出したのだろう。
「はい【ユリシーズ】【ダイアン】【サイレス】が共に受けました」
【ユリシーズ】はAランクギルドじゃねえか!って事は・・・・第三小隊と【ユリシーズ】が居ればかなり楽ができんじゃね?俺達【ローレライ】の出番はなさそうな感じだ!『楽が出来る』・・・・・・・・・・なんていい響きだ!
「朝飯を作ってくれ、それを食ったら行ってくる」
「了解」
ニレニアが逃げるように『隊を纏めて合流する』と言ってバーから走って行った、朝から元気なこって。
「マスター、そろそろいきましょう?シーニアは向こうで合流となります」
「分かった」
生きたくない気持ちを抑え込んで待ち合わせ場所である入場門にリリーさんと共に向かう。
入場門に着くともうしニレニア達はついており、待っていた。
「遅いわよ、もうメレーネ女学院の皆様はそろっていますよ、マスター」
・・・・・は?ニレニアが何で俺に向かって『マスター』なんて言うんだ?かなり嫌な予感がするんだが。
「マスター、ニレニアさんも今回のメンバーに加わってますよ」
ノォォォォォォ!何で部隊長がこっちに来るんだよ!離れて着いて来る第三小隊の方に居なくていいのかよ!
「あんたに分かりやすく言うとうちの隊に女子は私を含め三人しかいない」
それは仕方ない【軍】と言う特殊な職業は男性率がどうしても高くなるからな・・・そうか!護衛対象が女学院だから女子をこっちに持ってきたのか!うかつだった!!
(気が休まらなくなったじゃねえか!・・・仕方がないけど・・・・)
そんな事を考えながらリリーさんとニレニアのやり取りを見ていたら、いきなり抱きつかれた・・・・・・子供に。
「ルクス様お久しぶりですわ」
・・・・・・えっと・・・・・誰?
「お久しぶりですカンナ様、レディが殿方に抱き付くのは感心しませんよ?」
リリーさんが微笑みながら抱き付いてきた女の子に注意している・・・・・カンナって誰!
「お久しぶりです、リリーさん、その節はお世話になりました、ですが別にはしたなくはありません、この方は私の旦那様になる方ですから」
「「はあ??」」
「あらあら」
最初のが俺とニレニア、次のがリリーさんだ・・・・・ってなんでこの子供の旦那って事になってんだよ!
「ルクス・・・・あんた・・・・・・」
ニレニアが汚い物を見る目で俺を見てくる・・・・俺何もしてないのに心が折れそうになる・・・・・
「私達は運命で結ばれているんですわ!」
女の子・・・・・・カンナが微笑みながら言い切った。
そんな運命いりません!!
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