仕事の話はしたくありません
結局軍から解放されたのは夕方、ギルドに戻れたのは夜になってからだった。
「今帰った・・・・テリス酒をくれ」
「お帰りなさいマスター、つまみは?」
「もらう、何も食ってないんだ」
「了解です」
奥のスペースに入っていくテリスを見た後ため息をつく。
「隊長お久しぶりです」
俺が提出した証拠の真偽性を調べるため、俺は重要参考人として情報部に拘束されてとある施設に隔離・・・監禁された。
そして約半年その施設で外界との接触を断たれて、情報部の相手をしていて、昨日ようやく裏が取れ解放という事になり施設を出た所で、俺の部隊の副官だったリリー大尉が出口で待っていた。
「久しぶりリリー大尉、もう俺は軍をを辞めるんだ隊長なんて呼ばなくていいよ」
そうなのだ!やっと!軍を辞めることが出来る!もう手続きは済ませてある、あとは自室に戻って荷物を持って出て行くだけなのだよ!
「知っています、ライオネル中将から伝言があります」
「・・・・聞こう」
「『すまなかった、そしてありがとう』だそうです」
「ふん・・・・・」
別に礼を言ってもらいたくてやったことじゃねぇよ・・・・気に入らなかっただけだ。
「伝言は聞いた、リリーさん今までありがとう、元気で」
荷物を取りに行こうと歩き出したところで右手をリリーさんが握って引き留めてきた。
これは・・・・・・もしかして告白タイムか?
「お待ちください、もう一つ・・・・・ライオネル中将からこれを」
違った!しかもあの狸からだと?・・・・・【メッセージスフィア】じゃねぇか・・・・嫌な予感がする。
「よう!小僧!貴様のおかげで今軍はガタガタだ望んでないのに明日には俺が大将だぞ?しかも年寄りを働かせて若いお前は止めるって聞いた時に俺がどういう心境だったかお前に分かるか?『羨ましいだ』!まあ・・・・愚痴はこれくらいで、【メッセージスフィア】を使ったのはお前の部隊についてだ」
なに?第二小隊はリリーさんが受け継ぐんじゃないのか?
「第二小隊20人中14人が除隊願を出した、なので部隊として存続するのは不可能となり解体されることとなった」
「な!!何でそうなった!!」
あいつら何考えてやがる!
「ちなみに副官のリリー大尉も除隊願を出したぞ?」
「はぃ?」
狸の言葉を聞いて思いっきりリリーさんをガン見した。
「そこで新しい人生を歩みだす小僧に俺からプレゼントだ、箱・・・・お前たちの新しい職場を用意してやった、今後は俺は何も手出しはしない、好きにやってくれ詳しい事はリリー大尉に聞いてくれ、じゃあな!」
その言葉と共に【メッセージスフィア】は再生を終えた。
「意味が分からん」
新しい職場?冗談じゃないぞ?おれはしばらく働かずにダラダラ過ごす事にしてんだ!
「隊長説明させて頂きます、ライオネル中将がギルド立ち上げの手続きとギルドハウスを用意してくださいました」
「はぁぁぁぁ?あの狸何勝手にやってんだ?」
「そのギルドの責任者として隊長が登録してあります、そしてギルドメンバーは軍を辞めた14人です、ライオネル中将が『お前を慕って一緒に辞めたんだ最後まで責任は取れ』だそうです」
・・・・・・・・・あんの狸!断れねえじゃねえか!!
「隊長、ギルド名を考えてください」
リリーさんが聞いて来たのでしばらく考えてから答える。
「ローレライ」
『岩山にたたずむ美しい少女が船頭を魅惑し、舟が川の渦の中に飲み込まれてしまう』って伝承があったが
俺は狸に巻き込まれてギルドと言う厄介な波に飲み込まれたからな、嫌味を込めてこの名前にした。
「ローレライですかわかりましたわかりました、隊長・・・・・いえマスターこれからよろしくお願いします」
とびっきりの笑顔でリリーさんが笑った。
「・・・・ター・・・マスター!お待ちどうさま!ボーっとしてどうかしましたか?」
目の前で手をフリフリしているテリスに軽く笑い用意してあったグラスを受け取り一口飲む。
「ふぅ・・・」
狸おやじに会ったせいか以前の事を思い出してしまった、今考えても腹が立つ!あの狸め!
「お帰りなさいマスター」
二階からリリーさんが降りてきたので挨拶をする。
「ただいま、明後日からの護衛に第三小隊が一緒につく事になった」
「・・・・・・・何でですか?お嬢様学校の護衛ですよ?」
「【ヘイト】が出てくる可能性があるってさ」
「ならば私と・・・・シーニアもつきます」
「頼む」
休みのはずなのに仕事の話とか・・・ああ嫌だ!!
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