女狐にしてやられました
【ユニオン】の料理はどれも美味しかった、お詫びってことで遠慮なくお替わりもした・・・・・・したけど!!
「あの女狐ぇぇぇぇぇ!!」
俺は今裏道で不審者30人くらいに襲われていた。
「どうでした?」
シルビアが食後のコーヒーを飲みながら訪ねてきたので頷く。
「ライアンの件はチャラでいい」
休みが一日潰れた分はこれで取り戻したと考える事にした、もう過去には戻れないからな。
俺も食後のコーヒーを飲んでのんびりしているとシルビアが立ち上がる。
「ルクスさん私は用事があるのでここで、帰りも来た時に乗ってきた馬車で送らせますからのんびりして下さい、またお会いしましょう」
「遠慮する、あんた達とは住んでる世界が違う、おれはのんびりだらだら生きたいからな」
「それは残念ですわ、では失礼します」
残念そうには見えない笑顔をうかべシルビアは去っていく。
それからしばらくコーヒーを堪能して帰る為に外に出て乗ってきた馬車を探し・・・・見つけた。
「あのー帰りも乗せてくれるって聞いたんだけど」
御者に話しかけると頷き馬車の扉を開けて招き入れてくれて、御者は馬を走らせ始める。
「さて・・・・帰ったら何しよっかなー」
今ちょうど昼だから・・・・・・良し!買い物だ!!
しばらく走った所で馬車が思いっきり揺れて止まる。
「何だ?」
警戒しつつ外を見るとむっさい男共が馬車を囲んでいるのが見える。
しかも御者までいなくなってやがる・・・・・・・・あの女狐やってくれたな!!
つまり俺は囮なのだシルビアと一緒に行動していたから奴も一緒だと思いこの馬車を襲った、あいつは安全にフィールを出ることが出来、しかも襲ってきたのはたぶんシルビアの敵勢力、俺を使い削っていく算段なのだろう・・・女狐にとっては二度と美味しい思いをする事になる・・・・チックショー!!【ユニオン】だけじゃ足りねえじゃねぇか!!
「出てこいシルビア・マーカス、大人しくすれば命は取らん」
やっぱりそう言ういう事かよ!ちくしょう!!
仕方ない、何とかこの場を凌いで警備隊の詰所に逃げ込むか?・・・・・そうしよう!!
「さっさと出てブラァ??」
近くまで来て声を掛けて来た男を殴り飛ばして、次の獲物に向かい鞘付きの剣を叩きこむ。
「囲め!相手は一人だぞ!!」
片手剣を持ったリーダー格の人間が指示を出し包囲網を作る・・・・が!!
「ぶへら!」
そのリーダー格をすぐざま沈黙化させる、相手の数が多いときは頭を先に潰すに限る!
案の定統率が取れなくなった男共、それを各個撃破していき20分もかからず立ってるものが俺以外居なくなった。
「・・・・・しまった、詰所に逃げ込むはずだったのに・・・・」
思わず全員張り倒してしまった・・・これどうしよう?
「そこのお前動くな!警備隊だ!敵対行動を起こした場合即座に逮捕する!」
・・・・・あれ?これって・・・・・詰所に連行パターンじゃねぇ?少し前にこんな展開あったよね?そして休みが潰れてたよね?つつつっと背中に冷や汗が流れ始める。
「えーっと俺は【ローレライ】のギルマスルクスだ、あんたらとやり合う気はないよ」
両手を上に上げて近くに来た警備隊員に話しかけると、向こうが肩の力を抜き武器を下ろす。
「貴方でしたか、それよりまたですか?」
その言い方に物申したいがこの現場を見られると何も言えなくなる。
「・・・・・不本意だがな」
渋々頷きながらその警備隊員に答えるとその男が指示を出し始めていた。
「倒れてる奴等を縛って連れて行け!おそらく裏の奴等だ、逃がすなよ!隠れてる奴もいるかもしれん、周囲も調べろ!!」
「はっ!!」
指示を出した後俺の方に振り向きにっこりと微笑む・・・・・が!目が笑ってねぇ!!
「さて・・・・ルクスさん詰所に来てもらえますよね?」
「でも今回も巻き込まれただけだから、行かなくてもいいんじゃないかな?」
最後の抵抗を試みる、このままじゃ確実に今日の残りの休みが潰れる!!
「来てくれますよね」
「・・・・・・はい」
あの目に逆らえなかった・・・・・・・何でこうなるのかなぁ・・・・・・・・
「お前またかよ」
呆れたような顔で警備隊副長ケリー・アルシム(30歳)がため息をつく。
「うっせ!シルビアに利用されたんだよ!」
今日の事を話したら深い・・・・それはもう深いため息をつかれた。
「それはお前が悪い、女狐なのは前から知ってるだろうに・・・・・【ユニオン】に釣られてほいほいついて行くおまえが愚かだっただけだ」
「うぐっ!」
真顔で愚かと言われると胸にグッとダメージが来るんだけどさ!反論できないからなおさらにね!
結局詰所を出たのは夜になってからだった・・・・・・・また貴重な休みがくだらない事で消費された。
「何でこうなるんだーーーーーー!!」
夜の街に俺の叫び声が響く。
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