↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/180

料理研究会 1日目


 黒犬の洞窟の連絡箱に、猫人の食堂からの伝言が入っていました。食堂に立ち寄ったエルフがファラさんからの手紙を持って来たそうです。手紙の内容は「『日本の肉類を使わない料理』の作り方を詳しく知りたいので、本か何かあれば譲って欲しい」というようなことでした。英語で書かれた料理本はいろいろありそうですが、精進料理に絞った本はあるのでしょうか。それ以上に定番の食材、味噌や醤油って作れるんでしょうか。ネットで情報を探して、味噌の作り方をらいむちゃんに英訳してもらいました。

 そんな話をしていたら、スナおばちゃんが聞きつけて来ました。「たぶんエルフの客が来るんだろ。それなら、猫人村の食堂で精進料理のメニューを出してもいいんじゃないかい。」って。味噌は時間がかかるけれど、豆腐は1日で作れるので、猫人村で講習会のような事をしてもいいんじゃないかって。そこで猫人村へ、日程調整と使う食材の準備のお願いを手紙でやりとり。


 スナおばちゃんとらいむちゃん、正月過ぎてヒマになったというみ~ちゃんも同行。そして荷物持ちに僕が。寒いからって珠子さんはお留守番。料理が苦手な陽子さんも留守番。

 まず黒犬村へ挨拶とお届け物・・・「冬の間は家にいる事が多くなるので、手芸材料はいくらあってもいいのよ」と、毛糸や布やリボンやら。それから雉猫村で1泊2日の講習会。


 ・

 ・

 ・


 それで黒犬村へ行くと、なんとエルフさんが待ってました。料理講習があると聞いたファラさんがニーラさんを説得して、それに女性1人が加わって。そしてタホンさんとワサカさんの男2人も付いてきたみたいです。

 どうやら、ニーラさんがエルフの村から犬人の谷へ抜ける近道を見つけたらしいです。茶虎村へ出る道より少し近くて、低くて雪が少ない峠だそうですが・・・ 雪の峠を越えて来たんですよね。この時間に着いているってことは、雪の中で野宿したんじゃないですか。え、ワサカさんが空気を囲ってタホンさんが火魔法で暖めてって、魔法の使い方って予想外です。え、この2人の使い方は普通ではないんですか。



 雉虎村の食堂。猫人の御婦人が6人。横のテーブルには子どもが10人ほど。試食狙い?僕と男性エルフ2人はこっちの組。ニーラさんは料理組です。スナおばちゃんが講師で、らいむちゃんとみ~ちゃんが助手。


 材料の大豆。猫人や犬人の村で普通に作られているけど正直あまり人気の無い豆。エルフさんの村でも普通の豆だそうです。前もって水に浸けておいてもらった豆を水から揚げて、僕が持って来たすり鉢を使ってつぶします。猫人村には石の鉢がありました。これと木の匙でぶちぶち。エルフさんの村にも似た道具があるそうです。猫人の石の鉢を借りて、エルフさんもグチグチ。スナおばちゃんはつぶす時の要領を解説しながら、奥様たちはメモを取りながら。それから水を加えてぐりぐりと。分量ではなくとろみの加減で説明するあたりが経験者ですね。とろとろを鍋に入れて・・・以下略。

 薄い布袋で漉して、豆乳のできあがり。ありふれた豆からミルクのような物ができて、見ていた子どもから歓声が。みんなで、少しづつ試飲。「不思議な味だ。」とエルフさんびっくり。子どもたちは「やっぱり、豆だ。」 ここまでの工程を復習のためもう1鍋。


 それから、お昼の準備。おからと野菜の炒め物。絞りカスが料理になるのには、奥様たちがびっくり。嫌いでなきゃ、ここに鶏肉刻んで入れても・・・とアドバイス。さすがに惣菜屋。おからは腐りやすいから、すぐに料理にした方がいいよと。味付けを変えていくつか作って、お腹が空いたみたいな子どもたちへ。臭いに釣られた風な男衆もあらわれて、試食。

 鍋を洗って、お湯を沸かしながら芋と野菜を刻んで、塩味つけて野菜を次々と入れて。別の鍋で小麦粉を軽く煎って、豆油を少し加えてこねて、さっきの豆乳を。「小麦粉使ったけど、ライ麦粉でもできるけどトロ味が弱いかな。芋の粉じゃあまり美味しくないだろうね。混ぜるといいかもしれないね。」手を動かしながら質問に答えて。ここから今度は奥様たちが挑戦。「粉を煎る時に焦がさないようにね。まあ、煎らなくてもできるけど、軽く煎った方が美味しいよ。」「豆乳入れるのは少しづつね。」 これと野菜が煮えた鍋を合体して、味を調えて煮込めば豆乳シチュー。試食タイムのあとは、奥様ターン。「入れるなら、干し肉より腸詰めの方がいいだろうね。魚を入れるなら、先に湯をかけておくのがいいよ。」「そうキノコ。生もいいけど、干しキノコは良い味が出るよ。タマネギは炒めてから入れるのも美味しいよ。」来ている奥様たちも料理好きみたいですから、質問の密度も濃いです。

 その間におばちゃんは豆乳ソースをもうひと鍋。手早いです。火のあいた所で細く切った根菜を塩茹でして、湯を切ったら皿に盛って、豆乳ソースをかけて、上からトウガラシをひと振り。横で見てる子どもたちと男衆にあてがって。「見てるとお腹すくだろ。先に野菜食べておきな。」

 奥様たちの鍋ができたのを見て、次の料理。茹でた芋と野菜。あれ、いつの間に茹でたのかな。芋を潰して刻んだ野菜を混ぜて、豆乳ソースを加えて。「これは硬くなったパンを砕いたもの。これをまわりに付けてね。鍋に油を少し・・・」 コロッケですね。「焦がさないように、ゆっくりとね。火加減は火の距離でするのがいいよ。」竈ですから、ガス火のようには行きませんよね。奥様たちは少し焦がしたようです。「たくさん作る時は油を多くした方が作りやすいよ。」「むしろ、まとめてたくさん作る方が倹約になるね。」 衣付けて揚げるって、あまりやらないみたい・・・そういえば、犬人の子どもたちも、フライって知りませんでしたね。


 【 お昼のメニュー:おからと野菜の炒め物。豆乳シチュー。野菜コロッケ。ライ麦パン。 】


 昼食を食べに来た村人の何人かは、このメニューがあたりました。

 その後は洗い物して、雑談とお茶タイム。子どもたちは満腹してお昼寝。


 猫人のひとりが「ウチのが海辺へ行商に行って買って来たんだけど、海の草を干した物だって。囓っても美味しくないし。これって解ります?」「おや、これってワカメ、いや味は昆布だね。これは煮て食べてもいいけど、スープの出汁にするのがいいよ。ちょっと湯に浸けてみるとね・・・」昆布がありましたね。ファラさん昆布出汁が気に入ったみたいです。「今度行商で行ったら買って来てください。」

 おばちゃん、台所の棚のあたりを物色。あれこれ使えそうな物を見つけたようです。


 男性陣は・・・料理見てるのも疲れるってことで、ワサカさんたちは子どもたちに連れられて村を見物。僕は鍛冶師さんの所へ邪魔しに行きました。


【 夕食のメニュー:蕪の煮物昆布出汁風味。茹で芋豆乳ソースかけ。野菜炒め胡麻風味。おからと根菜のハンバーグ風。パンと茶色豆のグラタン風。根菜と芋のパンケーキ風メープルシロップかけ。】


 すべて創作精進料理。肉も魚もタマゴも牛乳も使ってません。しかもすべて猫人の村の食材です。豪華です。ワサカさんとタホンさん、黙々と食べてました。ファラさん、今度ハイエルフが来たら驚かしてやれるって・・・


【 夜食:硬パン緑豆とおからの煮物載せ 】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。