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第27話 一歩踏み出す勇気を

毎週月曜日の朝に定期更新。

筆が乗ったら不定期に追加更新してます。

「さて。それでは、次は治癒ネズミさんどうぞ」

「は、はい!」


 改めて確認しておくが、床を踏む順番はインゴット→治癒ネズミ→剣豪の順に、1枚ずつとなっている。

 既にインゴットが踏んで爆発したので、次は治癒ネズミが踏む番だ。


 横4枚のうち1枚が外れだった為、残りは3枚。

 こればかりは判別方法も無いので運だよりで選ぶしか無い。


 治癒ネズミは右端の1枚を選択したようで、おそるおそる近寄る。

 あと一歩の所まで来た。


(緊急帰還(デスリターン)があると分かってても、ちょっと怖い……)


 人間の本能的な部分だ。


 例えば、ジェットコースター。

 安全面が保証されていると分かっていても、"もし誤作動が起きたら?"と考えてしまう。


 それは人間の根源的な生存本能から来る防衛反応であり、危険を予知するものだ。

 それ自体は決して悪いことでは無い。

 しかし、人によってはそれが過剰に働いてしまうことがままある。


 治癒ネズミは俗に言う"心配性"であり、ネガティブな方面の想像が働きやすい性質であった。


 悪い想像をした時、身体が硬直して動きが鈍る。


「チュチュっち、だいじょーぶ?」

「──え、あ、はい! なんでも……無いです!」


 背中から剣豪に声をかけられた治癒ネズミは、ハッと意識を切り替える。

 ……そうだ。今日は、自分の優柔不断さと心配性を克服する為の修行をしにきたのだ。

 2人に迷惑をかけるのも忍びない。


 治癒ネズミは自分の頬を軽くぺしんと叩き、身を奮い立たせる。

 よし、と。


 意を決して、一歩を踏み出した。


 長く引き伸ばされた時間は数秒であっても永遠に感じられた。

 しかし、待てども床は音を立てず、爆発する様子は無い。

 正解を引いたのだ、と分かったのはインゴットが声を上げてからだった。


「ここはセーフのようですね。治癒ネズミさん、ナイスです」

「ないすとらーい! ドンドンパフパフ」

「よ、良かった……」


ツンデレツインテ:ナイスよ!

無色にぃと:幸運!

アチャチャ:いいねー

G.D.M.:ナイスです


 コメント欄の反応も上々だ。

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