第24話 運否天賦の地雷迷宮 第1層
毎週月曜日の朝に定期更新。
筆が乗ったら不定期に追加更新してます。
「さて。こちらのトラップダンジョンですが、本日は少し趣向を凝らして特殊な攻略をしていきたいと思います」
「と、特殊……?」
「なんだろー」
無色にぃと:え、もしかしてアレやるんか
ツンデレツインテ:あー……
アチャチャ:?
コメント欄には知っている人がちらほらと。
ダンジョン攻略サイトの掲示板ではよく話題に上がっているので、知っている人もそこそこいるのだろう。
このダンジョンの特殊な攻略法、それは。
「モンスターと一度も戦闘せずにダンジョンクリアを目指します!」
「どゆことー?」
「えええ……できるんですか?」
ゲスト2人は困惑している。
それもそのはず、ダンジョンといえば戦闘が付き物だ。
無色にぃと:ド根性だぁぁぁぁぁ
ラン:なになに?
アチャチャ:???
ツンデレツインテ:鬼畜ね!
コメント欄を流し見たゲスト2人は、なんとなく嫌な予感に襲われる。
あ、これなんか無茶振りされるな、と。
「企画の為、あえてお二人にはこのダンジョンの情報を調べないように来てもらいました」
「無知無知でーす」
「同じくです」
(=3=)こんな顔をしながら、両手でピースしている剣豪。
それを見て、にへらと笑いつつ、遠慮がちに治癒ネズミも片手でピースした。
「現地を見ながらの方が説明しやすいので、とりあえず進みましょうか」
「あいあいー」
「はい!」
インゴット一行は白い石造りの階段を降り、第1層に到着する。
以前の攻略配信で行ったダンジョンは解放的で広々とした自然の風景が特徴的だったが、トラップダンジョンは基本的に殺風景で狭苦しい作りだ。
ある意味では、地下迷宮と聞いて大多数の人がイメージするものに近い、古典的なダンジョンとなっている。
床や壁は白い石を基調とした、ややクリーム色がかった柄の無いデザイン。
横幅は人間4人が並べるくらい、高さは3メートルほど。
体格の良い冒険者ならば窮屈に感じることだろう。
階段を降りてすぐ、前方の奥、突き当たりに金色に輝く宝箱が設置されているのが見えた。
「やば! なんかめっちゃ光ってるんですけどw」
「入ってすぐ宝箱が見えるんですね」
アチャチャ:良いの入ってそう!
ラン:お宝ゲットだぜ
ツンデレツインテ:まぁ……そうね!
「さて。このダンジョンは今見えている宝箱を開けるとクリアです。……それで、宝箱までの直線の道に注目してほしいのですが……」
インゴットの言葉に応えるように、剣豪と治癒ネズミは道をよく見る。
そうすると、うっすらと床に凹凸があるのが分かった。
まるで板チョコレートのように、長方形の形で区切りがあるのだ、と理解する。
「宝箱までの道には、地雷が埋まってます。ちょうど、床が区切られている所ですね。地雷ゾーンとセーフゾーンが交互に3回ずつありまして、私達が立っているのがセーフゾーンの1回目、となります」
「ほうほう」
「地雷ゾーンは8枚のパネルで構成されています。縦に2枚ずつ、横に4枚ずつですね。ダンジョンに入るたび、地雷がどこに埋まっているかはランダムで決まります」
剣豪は床の区切りのギリギリまで近づいて、目を凝らして見る。
すると確かに、床が8枚で区切られているのが分かった。
地雷の有無は見た目では判別が付かない。
「ランダムといえど、縦1列は必ず正解の組み合わせが生じるようになっています。なので、正解のパネルは最低でも2枚、最高で8枚とも正解ですね」
「正解のパネルを踏んだら、色が青になって通れるようになります。不正解のパネルを踏んだら赤くなって……ドカン! と、踏む度に爆発するので通れません」
説明を聞いていた治癒ネズミが手を上げて質問する。
「えっと、地雷を見分ける方法は……?」
「ありません。完全ランダムですし、踏むまで分かりません」
「そんなぁ」
そんなの理不尽すぎる。
と、言いたげな治癒ネズミの為に、インゴットは補足説明をした。
「ただ……そちらの脇道を見てください。その道の先の小部屋で中ボス戦に勝利すると、レバーが引けます。レバーを引くと、正解のパネルが2つ青く点灯して先に渡れるようになります」
「へ〜」
これが通常攻略。
だが、そこはトラップダンジョン。
そうそう上手い話は無い。
「その代わり、レバーを引いた回数に応じて宝箱のランクが下がっていきます。今は0回なので金。1回ごとに銀、銅と下がり、レバーを3回引くと宝箱はミミックになります」
「うへぇ」
「わ、わぁ……性格が悪いダンジョン……」
ミミックとは、宝箱に擬態したモンスターだ。
宝箱を開けようとした瞬間、鋭い牙で冒険者の手に噛み付く。
不意打ちによる痛みと、宝箱では無かった落胆によって冒険者を苦しめるのだ。
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