第23話 トラップダンジョン攻略開始
毎週月曜日の朝に定期更新。
筆が乗ったら不定期に追加更新してます。
トラップダンジョン──。
その名前で分類されるダンジョンは、通常のダンジョンには存在しない様々な種類の罠が自然に生成され、冒険者を日夜苦しめる高難易度のダンジョンだ。
シンプルな物で言えば、古式ゆかしい落とし穴やくくり縄。
高度な文明の物で言えば、熱や音に反応するセンサーと連動した自動機関銃に、踏むと一瞬で別の場所に移動するワープ床、などなど……。
ほとんどが即死する罠だが、この世界のダンジョンでは死ぬ前に強制帰還が発動するので安心安全だ。
冒険者も気楽に挑戦している。
しかし、気は抜けない。
強制帰還によって入口に戻されると、インベントリ内のアイテムが全て消失してしまうからだ。
時間と宝を失うことのつらさ。
ゲーマー諸君にはきっと分かることだろう。
トラップダンジョンの特徴として、通常のダンジョンと比べて報酬が格段に豪華である、という点があげられる。
道中での宝箱が多く、モンスターからのドロップ確率も高い。
また、ダンジョン最奥にボス戦が存在せず、最奥の豪華な宝箱を開けるとダンジョンクリアとなる為、純粋な戦闘力が低くても挑戦しやすい。
通常よりリスクは高いが、その分、通常より稼ぎやすい。
いや、リスクがあるからこそ報酬を手に入れた時の達成感や幸福感があるのだろう。
脳汁を求めて、今日も冒険者たちはトラップダンジョンに潜る──。
✜_________________✜
「はいどうも、皆さん武器にちは! ウェポンチャンネルのインゴットです」
「剣豪ちゃんもいまーす」
インゴットはカメラとコメント欄に向けて挨拶をし、横から剣豪も手をひらひらと振りながら顔を出す。
「前回に引き続き、ゲストは剣豪さん。そして、もう1人。それではどうぞ!」
「あ、あああの……こん、こんにちは! じゃない、武器にちは! 治癒ネズミと申しますぅ……」
治癒ネズミは顔を紅潮させ、たどたどしくも挨拶をした。
人前に出るのが慣れていないのだろうか、緊張しているようだ。
ツンデレツインテ:見に来てあげたわよ!
ツンデレツインテ:両手に花じゃない やるわね
無色にぃと:こんちわ!
ラン:こんちわ〜
もふもふ狂:もふもふじゃない…
常連さん達の温かいコメントが流れてくる。
「はい、ありがとうございます。本日は治癒ネズミさんからの依頼で、こちらの☆3トラップダンジョン、[運否天賦の迷宮]に来ています」
「がっ、頑張りますので! よろしくお願いいたします!」
そう言って、治癒ネズミはおもむろにお辞儀をした。
……ふと、現在の同時視聴者数を見ると、普段はせいぜいが10人以下だが、今日は50人ほどとなっていた。
インゴットは驚く。
「おっ……と。今日は見てくださってる方が多くてありがたいですね」
「あれかな。ほら、切り抜き動画の」
「あ、なるほど」
インゴットはあまり数値を意識しないようにしていたので気付かなかったが、先日の切り抜き動画の影響によって、「ウェポンチャンネル!」の登録者数は100人から500人まで上昇していた。
それ故に、今回の同接数も伸びたのだろう。
改めて、ツンデレツインテに感謝を抱く。
「ツンデレツインテさん、切り抜き動画の作成ありがとうございました。とても良いまとめ動画でした」
ツンデレツインテ:もっと褒めなさい!
感想、レビューなど、とても励みになっております。
気軽にブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。




