ダイヤ・カウミノ
俺達二人は
戦争の多い人間族の隣国に産まれた魔族であった
ミノタウロス、ケンタウロス
2つの戦闘種族が互いに認め合って力を高め合い
日々攻めてくる数だけが多い人間族と渡り合っていた
「おいダイヤ…帰るぞ…国に……」
若い俺達は戦果を上げようと
前線に立つが想像異常に前線は激しく
ミノタウロスのダイヤは深手を負っていた
「いいんだ……モンド…もう足の感覚がねぇ…
国の母に伝言を…」
「バカヤロー!!自分で言いやがれ!」
ケンタウロスのモンドはダイヤを担ぎ
文字通り重い足で故郷へ進む
「いたぞー!深手を負った魔族だーー!」
遠くから人間族の声が聞こえる
段々とその声は近くなる…
「ダイヤ…覚悟決めねーとダメかもな…
だけどよ…俺はここで死ぬつもりはねーよ」
「お前が死ぬ必要はないだろう!
私を置いて行けば…ケンタウロスの足なら
逃げるのに………すまねぇ…すまねぇ…よ」
「友を捨て帰る何て誰ができるよ…
俺等は一蓮托生よ…」
「そこまでだ魔族ども!」
人間族の槍兵隊が二人を囲う
「隊長…ここは…まずいです」
「どうした?」
「ここは人間領では無いです、獣人族の領土
殺るなら早くした方が良いかと…」
「そうか……構えーーー!」
兵は槍を構え、攻撃の体勢をとる
「待てぇ!」
林から男性の声が聞こえる
「何だ!新手か!」
兵は直ぐに林へ警戒するが
現れたのは人間族の者で一人であった
「何だ…その格好は…聖職者か?」
「そうだ、ここの近くで神父をしている者だ…」
「それが何の用だ!」
「その殺生を辞めなさい!」
「何だと!」
「そこの魔族達はとうに戦う意思を無くして
逃げているではないか!
その様な者に対して刃を向けてはならん!」
「今は戦争をしているのだぞ!」
「それは人間族と魔族の話だ!ここは獣人族の領土!
確かに獣人族は人間族と協定を結んでいるが
獣人族の領土にて争う事は許されていないはずだ!」
「なにーーー!お前達構えろ!」
「…………」
「どうした?」
「すいません…隊長…聖職者は…ちょっと…
あと、同じ人間族なので…」
「殺るなら私を殺しなさい」
隊長の前に飛び出る神父
「クっ…この………仕方ない…ここは引いてやろう
だが忘れるな!その魔族達はいずれ…
人間族に刃を向けるのだぞ!」
兵隊達は戦場へ戻っていった
「なんだお前…へんな…や…つ」
不思議そうなモンドは緊張感溶け意識が飛び始める
ここまでダイヤを乗せて休み無く逃げて疲れが来たのだろうモンドは倒れるように寝込む
モンドが起きると
そこは見た事の無い部屋
ベッドの上には手当てがされているダイヤの姿が
ギイと扉が開く
白い肌の人間族…いや耳が馬の形をしている
獣人族の方が入ってきた…
「あら?もう大丈夫なの?神父様呼んでくるわね…」
「あの…」
「……大丈夫ですよ
お仲間さんは何とか治療出来たみたいなので」
その女性はニコっと笑い部屋を後にする
ここの神父に助けられたようだ
名前はウィル……俺達より歳上の人間族
ウィルは獣人族に布教するため
獣人族の領土に教会を建て暮らして居るらしい
しばらくの間、俺達はこの教会の世話になり
やがてダイヤの傷も癒え
二人は故郷へ帰る事になった
「ウィルさん…本当にありがとうございます…」
「人間族にもこんなにも優しい人がいたんですね…」
「あぁ、生きとし生けるもの…全て…本当なら
手を取り合えるんだよ……
君達が無事に故郷に帰れる事を願っている」
「何かあれば…ウィルさんの為なら何でもしますよ!」
「ありがとう!」
笑顔で手を振る教会の人達…
数年後
人間と魔族の戦争は激化し続ける
人間族に恩義を感じ
戦争に行かず防具屋として働く二人
そこに1人の来訪者が現れる
それはアノ教会で働いていた
白い肌の馬の獣人族…ユニであった
「どうしたんですか?こんな魔族の国に…
教会の仕事は…」
「教会は無くなりました…戦争で…」
「そう…ですか…ウィルさんは?」
「ウィル神父は人間族の国に帰る事になりました
他の獣人族も散り散りなり誰がどこにいるのやら…」
「それは…大変ですね…
ユニさんはどうしてここに…?」
「……貴方が忘れられなかったのです…」
獣人族は戦争に追われ
人間族と魔族に住む者が別れて
二人が住む国にも沢山の獣人が住むようになった
やがてダイヤとモンドにも子が授かり
セガレ達は成長し頭角を見せ始める
国一番の魔力量と力を持つセガレ達は
このまま行けば戦争の兵隊として…
進んでしまうのだろうと苦い経験を持つ二人は悩む
するとそこに一通の手紙が届く…
懐かし名前…ウィルからの手紙であった
ウィルはこの世界唯一の平和な都市
中立魔法国ドットラルで神父を続けているという
何度か手紙のやり取りをし
モンド達が悩みを打ち明けると
ある解決方法が見つかった
セガレ達をドットラルにある
魔法学校への入学を勧められた
学校では全ての種族が魔法を習う
この学校なら子供達が自分で
今後の事を感じ考えられると思い
2つの家族は中立魔法国ドットラルへ移住を決意する
ダイヤとモンドは
魔法学校の外にある街で暮らしていた
二人はウィルに呼び出される…
「ここで向かって来る人を停めて捕まえてほしい」
薄暗いトンネルでウィルに託され
相手を待つ…
そこには自分のセガレと同じぐらいの生徒二人であった…
「モンドーーー!」
ダイヤは斧を落とし
モンドへ近づく
「ごめんね…モナカ君…
怖い思いをさせてしまったね…早く…逃げなさい」
モンドは重傷のお腹を気にせず
縛られたモナカのロープを解く
「おい!なにをしている!」
エドが体勢を立て直し杖を構える
「スラッシュ」
見えない刃がモンドの左腕を吹き飛ばす
「ロックスパイク」
ダイヤや力いっぱい地面を殴り
再び無数の岩の槍を創り出す
「邪魔をするなーーーー!」
怒るエドワード
殴られ割れた地面から
ウェポンスライムが飛び出し
ダイヤの右足を切断する
ダイヤはモンドの隣へ倒れる…
「モンド…」
「ダイヤ……ここが俺達の…」
「言うな……」
「オジサン達…」
モナカの震える声
「早く行きなさい……まさか…動けないのかい?」
モナカは顔を縦に振る
どうやら魔力を使いすぎて立てなくなっていた
「よし…コレで…秘密は守られる…」
一歩一歩近づくエドワード
「3人まとめて…」
エドは杖の先に空気の刃を纏わせる
「スラッ…
「ブラックフレア」
黒炎がエドを吹き飛ばす
「お待たせ」
アルバートが
ダイヤ、モンド、モナカの3人の前に立つ




