魔獣と2人
シエルの魔法は全て
ウィル神父に簡単に避けられる
近づいたウィルは杖を構え始める
「君にも私の研究の一部にしてあげよう…
タイムレコード…」
ウィルはゆっくりと杖を振る
魔法を掛けられたシエルは動きを止め
戦っていた森は静けさを取り戻す
思考だけが唯一シエルのできる事であった
日が落ち始める森
シエルの前に森で飼われている魔獣が現れる
その見た目は獅子の顔に鳥の翼、
シエルの身長を遥かに越える
シエルを見つめる魔獣
魔獣は何も見えていないように通り過ぎる
教会に掛けられていた
魔獣が近づかなくなる認識阻害の魔法を
シエルに掛けていたようだ
通り過ぎて数分後
シエルの後ろから轟音が鳴る
「グオオオオオウ」
先程の魔獣と思われる声と
「フレア」
魔法を放つ少年の声
しばらくすると声の主がシエルの前に現れる
その少年はアルバートであった
前より黒髪は伸び、顔や体は傷だらけだ
「グオ」
魔獣の一撃を避け
後ろへ下がるアルバート…
どん!っとシエルとアルバートはぶつかり
共に倒れる、
「シ、シエル!?なぜ君がここに?」
「……………………(アルバートが何でここに?
ここで修行を?)」
動くことの出来ないシエルは返事さえ返せない
「………(そうか、教会の時の様に触るまで認識出来ない様になっていたのか…)」
ウィルに魔法を掛けられていた事を理解する
「………(でも、それって少しおかしくないか?
神父ウィルは多分…未来を予知する魔法も使っているはずだよな………)」
「おーい?大丈夫か?………アリシア!!」
「はい!アルバート!どうしたの何もない所で?」
「俺がグリフォンを蹴散らすからシエルを頼む!」
「え?シエルくん何てどこにも…」
アリシアの足がシエルの頭に触れる
「きゃ!何で!急に現れたわ!」
「学校の壁に掛けられてる魔法だ!」
「なるほどね…」
アリシアは座りシエルの様子を確認する
「怪我が少し、動かない顔と体…
止められているのね…」
「エナジーブラスト!」
アルバートの魔法がグリフォンの翼に当たり
慌てて森の奥へ逃げていく
「リリース!、キュアウォータ!」
「うわ!」
冷たい水に驚き声をあげるシエル
「シエルくん…大丈夫?」
「はい!助かりました!」
「何があったんだ?」
戻って来たアルバートがシエルに事情を伺う
シエルは今まで起きていた行方不明の件と
神父ウィルについて話す
「ほんとに?」
信じられないという顔でシエルを問うアリシア
「そんな事が…」
腕を組み考え込むアルバート
「ありがとう!2人とも本当に助かった!」
シエルは立ち上がり歩き始める
「ちょ!ちょっと!どこへ行くのシエルくん!」
「クリアを助けなきゃ!」
アルバートとアリシアは顔を見合わせて
「……待て!シエル…俺達も行くよ!」
「ありがとう!………いや、
二人にはお願いがあるんだ!」
「なに?」
「教会で戦っている先生は大丈夫だとして…
教会の地下にモナカが戦っているから
助けに行って欲しいんだ…結構時間も経っているから
無事かどうかも………」
「そうか!よし!俺がモナカを助けに行くから
アリシアはシエルと共にウィルを探してくれ!」
教会にてーーー
「なぜです…これほどまでとは…」
教会で戦っていたオーロラが
地を這いずり仰向けになる
両足はドロドロに溶けて身動きは完全に出来ずにいた
「………」
エドワードがオーロラの頭に杖を突きつける




