陶器市で手をつなぐ
陶器市は、橋の周りの平地いっぱいに露店が並ぶ、大きな祭りだ。
少し前、アストリッドが、宿泊客用のカップを買いたいと言ったため、
カイが「アスティ爺さんのリハビリ」の体で陶器市に行くことを提案したのだ。
「――――!!!!」
大盛況の陶器市に驚き、カイの袖を必死に引っ張るアストリッドを見て、
カイも嬉しくてたまらない。
「やろ?デカいやろ?
デカいねん。これ。一年に二回くらいしかないねんで。
アスティは運がええわ。
え?あっち?あっち行きたいん?
違う?熱い?興奮で?興奮で熱いん?
ええやん、それ!はよ行こ!!」
二人は、『リハビリの体』を演じることを忘れて歩き出す。
「カップ欲しいんやろ……めっちゃあるな。どんなん?
――え?僕?
ほんほん……僕が宿屋の客なら、どんなカップがええかって?あ――。」
カイはキョロキョロ見回して、何かを見つけると、
嬉しそうにアストリッドの手を握って、そちらの方に連れて行く。
アストリッドは繋がれた手をチラリと見て、髭の奥の頬を桃色に染める。
別作品も書いています。
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