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全僕に告ぐ、期待したらあかん
(全僕に告ぐ、期待したらあかん、
繰り返す、期待したらあかん、期待したらあかん……)
そう思いながら、青いカップを手に取る。
吸い込まれそうな青が、やっぱりアストリッドの瞳のようだと思って、
チラリと彼女に視線を向けると、
思い切り視線がかち合って、慌ててカップに目を戻す。
「ありがとう……めっちゃ嬉しい……」
思わず心からの声が出てしまう。
どうしていいかわからない沈黙が流れ、二人はもじもじして身動き一つ取れなくなった。
ようやく、アストリッドが小さな声を出し、
カイが耳を澄ませる。
「え?このカップは……ここ?この宿屋の、僕専用カップぅぅぅぅぅ!?
いや、待って。そ、それもグッドアイディアやけど、
僕、せっかくなら、診療所に持って帰りたいと思うんやけど……」
カイはカサカサに乾いた喉から何とか声を出す。
「僕の机に置いたら、はか……捗りそうやし、仕事とか……」
アストリッドからもらったカップを四六時中見ていたいとは到底言えない。
――が、アストリッドは頷いて「どうぞ」というように手を動かした。




