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転生先は超・物価高!? 〜フルリモート魔王軍と戦う限界ニュータウン異世界〜  作者: 沼口ちるの


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DPSを上げろ! 目指せ1700階層!

深夜のデイトレード開始から数日。俺のギルド口座の資金は順調に増えていたが、一つ重大な問題が発生していた。


「あー、うー……(指が、限界だ……)」


赤ん坊のぷにぷにの指で、毎晩何千回も魔導板をタップし続けるのは物理的にキツい。前世でマウスがぶっ壊れる勢いでクリックしまくっていた頃を思い出すが、今の俺は体力『5』の0歳児だ。腱鞘炎で泣き叫べば、親にバレて魔導板を取り上げられてしまう。


限界を感じた俺は、ギルドネットワークの奥深くにある「人材派遣(自動売買AI)ギルド」のページを開いた。

そう、手動クリックがキツくなったら、次は仲間ヒーローを雇って自動化させる。これぞ放置系インフレゲームの鉄則だ。


手持ちの資金で雇えそうなのは……まずは一番安い『駆け出しの木こり』AIか。

こいつの初期DPS(ディール・パー・セカンド=秒間取引回数)はショボいが、レベルを上げてアップグレードを重ねれば化けるはずだ。ポチッとな。


画面上で、ドット絵の木こりがせっせと低位株の売買を自動で繰り返し始めた。

チャリン、チャリン、と小気味良いエフェクトと共に、俺が指を動かさなくても勝手に小銭が稼がれていく。


「だぁ!(最高だ! これで俺が昼寝している間も、ミルクを飲んでる間も、システムが勝手に稼いでくれる!)」


味を占めた俺は、稼いだ利益をすべてAIの強化と新規雇用に突っ込んだ。

『放浪の剣士スイングトレーダー』『氷の魔術師(塩漬け株の損切り担当)』などを次々とアンロックし、レベルを上げていく。

DPSは跳ね上がり、1秒間に処理される取引額は銀貨から金貨へと凄まじい勢いでインフレしていく。


目下の目標は、王都の巨大商会が張っている強固な「防衛ライン(レジスタンスライン)」。

例えるなら、クリッカーゲームにおけるボスの階層だ。今のトレンドラインなら……よし、まずはチャートの『1700階層(1700ゴールドの壁)』の突破を目指そう。あの分厚い売り壁を、自動売買の波状攻撃と俺のタップでぶち抜けば、一気に莫大な利益が手に入る。


(行け! 俺の雇ったAIヒーローたち! スキル発動だ!)


深夜のベビーベッドで、俺は寝返りを打つふりをしながら、小さな指で魔導板を猛然と連打クリックする。

画面の数字が猛烈な勢いで回転し、ついに1700ゴールドの壁が粉々に砕け散った。


「ふしゅぅー……(よし、ボス撃破。次の階層(価格帯)へ進むぜ……)」


翌朝。

親父が魔導板を見て、「ひ、ひぃぃぃ!? なんだこの口座残高! バグか!? 魔王軍のサイバーテロか!?」と腰を抜かしていたが、俺は知らん顔でスライムゼリーを啜った。

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