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第69話「かくしのいし」
チビはどこに行くときも、石をかくしに入れていた。
ウサギの子たちと遊ぶときも。かけっこするときも。かたつむりを見るときも。
ウサギの子のひとりが「それなに?」と聞いた。
チビは少し考えた。
「ひみつ」
「みせて」
「みせない」
ウサギの子はふくれたが、それ以上聞かなかった。
夜、縁側でチビは石を出した。てのひらにのせて、じっと見た。白くて、つるつるで、ひかっていない。ただの石に見えた。
でも、あの夜のことは覚えていた。あたたかかった。ぽっ、ぽっと光った。夢じゃなかった。手のひらがまだ覚えていた。
コンがとなりに来て、石を見た。
「まだ持ってるんだね」
「うん」
「大事なの?」
チビは少し考えた。
「うん」
コンはそれだけ聞いて、本を読みはじめた。
空に星が出ていた。チビは石とかわりばんこに、星を見た。おなじ白さだった。




