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第67話「しろいいし」
朝起きたら、手のひらに石があった。
白くて、小さくて、つるつるしていた。夕べのことを思い出した。ひかっていた。あたたかかった。
コンに見せた。
「きれいな石だね。どこで拾ったの」
「ひとりできた」
「夕べ? 縁側で寝てたじゃない」
「うん」
コンはじっと石を見た。なんでもない石に見えた。でもチビの顔が真剣だったので、それ以上聞かなかった。
「大事にしなよ」
「うん」
ポンにも見せた。ポンは石をしばらく眺めて、「きれいだね」と言った。
「ひかってたんだよ」とチビが言った。
「そう」
「ほんとだよ」
「そう」
ポンはそれ以上なにも言わなかった。否定もしなかった。
チビは石を浴衣のかくしに入れた。てのひらより少しつめたかったが、じきにあたたかくなった。
縁側に出たら、笹飾りがさらさら揺れていた。空は青くて、星はもう見えなかった。でも、あるのだ、とチビは知っていた。




