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第65話「たなばたのよる」
七夕の夜、空は晴れていた。
三匹で縁側に出て、星を見上げた。笹飾りがそよそよと揺れていた。
「ほしがとどいたかな」とチビが聞いた。
「どうだろうね」とコン。
「とどいてたらいいな」
ポンが笹団子をもうひとつ食べながら、空を見ていた。
「あのふたつ、おりひめとひこぼし?」とチビが聞いた。
「あのへんだと思うよ」とコン。
「あってるの?」
「たぶん」
チビはしばらく空を見ていた。むかし、星は遠くて、光が来るのに何年もかかると聞いた。おりひめとひこぼしも、すごく遠いのかもしれない。
「なかよしなの?」
「年に一回会えるって話だよ」
「いちねんに一回?」
「うん」
チビはそれを聞いて、少し黙った。一年に一回は、少ないな、と思った。
「かなしいね」
「そうだね」とコン。
ポンが「笹団子おいしいね」と言った。
コンがため息をついた。チビはくすくす笑った。星はきれいに、たくさん出ていた。




