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第64話「笹だんごのにおい」

 かあさんが朝から台所でなにかしていた。


 いいにおいがした。チビが台所をのぞいたら、青い葉っぱがたくさん並んでいた。


「なにつくってるの」


「笹団子」


 チビは笹団子を知らなかった。かあさんが説明した。もち米のなかにあんこが入っていて、笹の葉でくるんで蒸す。七夕のころに食べるお菓子。


「たべたい」


「蒸しあがったらね」


 チビはそれからずっと台所のそばをうろうろした。コンが「じゃまだよ」と言った。チビは縁側に行ったが、においがするのでまたもどってきた。


 ポンもいつの間にか台所のそばにいた。


「ポンにいもたべたいの」


「うん」


 ふたりでならんでうろうろした。かあさんが「もうちょっとだよ」と言った。


 蒸しあがった笹団子は、葉っぱの緑がきれいで、あけると湯気がでた。笹のにおいがした。


 チビはひとくちたべた。やわらかくて、あまくて、笹のにおいがした。


「おいしい」


 ポンはもう二個目を食べていた。

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