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第61話「夕立のあとで」

 夕方、急に雨が降って、すぐやんだ。


 チビが外に出たら、空気がむわっとして、でもさっきより少しだけ涼しかった。地面がぴかぴか光っていた。


 すももの木の葉っぱに、雨粒がのこっていた。チビは指でつついた。ころりと落ちた。


「きれい」


 ポンが縁側から見ていた。


「そとあつい?」


「ちょっとあつい。でもさっきよりまし」


「そっか」


 ポンは出てこなかった。


 チビは梅の木のそばまで歩いた。梅の実はもうなかった。梅シロップになったから、と思い出した。


 空を見上げたら、雲のあいだに青いところがあった。夕焼けになりかけているのか、端っこがすこし赤かった。


 コンがとなりに来た。


「夕立だったね」


「ゆうだち?」


「夏の、急に降る雨のこと」


「なつのあめは、なまえがちがうの?」


「いろいろあるよ」


 チビはまた空を見上げた。雲がゆっくり動いていた。どこかでまた降るのかもしれなかった。


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