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第60話「たんざくをかく」
かあさんが短冊を出してきた。赤と青と黄色と緑と、五色あった。
「好きな色を選びな」
チビが黄色をとった。ポンが緑をとった。コンが赤をとった。
チビはしばらく考えてから、ゆっくり書いた。筆が太くて、字がにじんだ。でもちゃんと書けた。
ポンはすぐ書いた。「おいしいものがたくさんたべられますように」。丁寧な字だった。
「ポンにい、こないだおおざっぱっていったのに、ちゃんとかいてる」とチビが言った。
「書いたら具体的になった」
コンはしばらく考えてから書いた。チビがのぞこうとしたら、さっと隠した。
「みせて」
「いい」
「なんでー」
「願い事は秘密にした方がいいって言ったでしょ」
チビはむっとした。自分もそれを使われるとは思わなかった。
三枚の短冊を笹に結んだ。風がそよいで、さらさらと揺れた。
「ほしにとどくかな」とチビが聞いた。
「とどくといいね」とかあさんが言った。




