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第49話「晴れた日の夏みかん」
久しぶりに晴れた。
ポンは庭の夏みかんの木の下に行って、腰を下ろした。雨続きのあいだ、ずっとここに来られなかった。地面はまだすこし湿っていたが、上から光がさして、気持ちよかった。
しばらくして、チビが走ってきた。
「ポンにい、ここにいた!」
「うん」
「なにしてるの」
「なんもしてない」
チビはポンのとなりに座った。見上げると、夏みかんが青いまま、いくつかぶら下がっていた。
「これ、まだたべられないの?」
「まだ」
「いつたべられるの」
「冬」
「とおい」
「うん」
チビはしばらく夏みかんを見上げていた。それから急に、「雨、もうこない?」と聞いた。
「また来るよ」とポンが言った。「梅雨だから」
「そっか」
チビは特にがっかりした様子もなく、地面に落ちた葉っぱを拾いはじめた。
コンが縁側から「チビ、手を洗いなさい」と言った。
ポンは木にもたれて、目をつぶった。日なたはあたたかくて、土のにおいがした。




