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第46話「梅シロップ」
梅シロップが、できあがった。
かあさんが瓶のふたをあけると、甘くてさわやかなにおいがふわっと広がった。チビがすぐに台所に飛んできた。
「できた? できたの?」
「できたよ」
かあさんが冷たい水で割って、コップに三つ注いだ。薄い黄色で、きれいだった。
チビはひとくち飲んだ。あまくて、すこしすっぱくて、冷たかった。
「……おいしい」
「二週間待ったからね」とコンが言った。
「ながかった」
「でもおいしかったでしょ」
チビはもうひとくち飲んだ。うん、おいしい。待った分だけおいしい気がした。
ポンは黙って飲んでいたが、飲み終わってから「もう一杯」と言った。かあさんが「おかわりもあるよ」と注いだ。
窓の外では、まだ雨が降っていた。でも台所はあたたかくて、梅のにおいがして、なんだかうれしい午後だった。
チビは空になったコップを見て、「来年もつくる」と言った。




