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第35話「夕暮れの縁側」
夕方、三匹が縁側に並んでいた。
チビは金魚の鉢を膝の近くに置いて、ときどきのぞき込んでいた。金魚はゆったりと泳いでいる。チビが指を近づけると、ぱくっと寄ってきた。
「なついてきた」
「魚は懐かないよ」とコン。
「なついてるもん。ぼくだってわかってる」
コンは何も言わなかった。否定しきれなかった。
ポンが空を見ていた。西の空が橙色から赤になって、すこしずつ暗くなっていく。
「きれいな夕焼けだね」
コンも空を見た。たしかに、今日は色が濃かった。薔薇みたいな赤が、端の方まで広がっている。
「明日もいい天気かな」
「たぶん」
チビが金魚から顔を上げて、空を見た。
「わあ、あかい」
「薔薇みたいでしょ」とポン。
「タキさんとこの薔薇みたい」
「そうだね」
かあさんが「ごはんだよ」と呼んだ。三匹が立ち上がった。チビが金魚の鉢をそっと安全な場所に移した。
夕焼けはまだ空に残っていた。金魚がその赤を映して、ひらりと泳いだ。




