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第34話「タキさんのお祭り話」

 タキさんに会ったら、お祭りのことを聞かれた。


「楽しかった?」


「楽しかった! 金魚もらった!」


「まあ、上手にすくえたの?」


 コンが「おじさんにもらいました」と言った。チビがコンをにらんだ。


 タキさんはくすくす笑って、縁側に座るよう促した。お茶を出してくれた。


「わたしが子どもの頃はね、みたらし神社のお祭りはもっと大きかったのよ」


「どのくらい大きいの?」


「屋台が二十くらいあってね、獅子舞も来て、夜に篝火も焚いてたわ」


 チビが目を丸くした。


「かがりび?」


「大きなたき火みたいなものよ。ごうっと燃えて、あたりが明るくなるの」


「みたかった」


「今は人が減っちゃってねえ」


 タキさんがすこしだけ遠い目をした。でもすぐにまたにこりとした。


「でも、ちゃんと続いてるのはいいことよ。あなたたちが来てくれるから、神様も喜んでるわ」


 チビはそれを聞いて、なんだか大事なことを教えてもらった気がした。


 帰り道、チビが「また来年も行こうね」と言った。コンが「うん」と答えた。


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