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第33話「きんぎょ」

 翌朝、チビが金魚の世話で大変だった。


 お祭りでもらった小さな金魚を、かあさんが古い鉢に入れてくれた。水をはって、日当たりのいい縁側に置いた。


 チビはその前にずっとしゃがんでいた。


「およいでる」


「当たり前でしょ」とコン。


「ごはん、なにあげるの」


「金魚のえさを買いに行かないとね」


「はやくいこう!」


 コンに手を引っ張って、集落の雑貨屋まで走った。えさを買って帰って、少しだけあげた。金魚がぱくぱくと食べた。


「たべてる!」


「当たり前でしょ」


 ポンが縁側から鉢をのぞき込んだ。金魚は赤くて、小さくて、ひれがひらひらしている。


「かわいいね」


「でしょ! ぼくがすくったんだよ」


「おじさんがすくってくれたんだよ」とコン。


「ぼくがお祭りに行ったんだもん」


 チビは納得いかない様子だったが、それ以上は言い返せなかった。


 金魚はその日も次の日も、ちゃんと泳いでいた。チビは毎朝一番に縁側に来て、金魚を確認した。それがチビの、新しい朝の仕事になった。


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