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第31話「神社への道」
土曜日の夕方、三匹は浴衣を着て家を出た。
チビの赤みがかった茶色の浴衣は、新品でぱりっとしていた。歩くたびに袖がふわりと揺れる。チビはそれが気に入って、わざと大きく腕を振って歩いた。
「はしゃぎすぎ」とコン。
「うれしいんだもん」
みたらし神社は、もみじ坂をすこし登ったところにある。石段が十五段あって、その上に小さなお社がある。普段は静かなのに、今日は提灯がともって、石段の両側に屋台が並んでいた。
チビが石段の下で立ち止まった。
「いつもとちがう」
「お祭りだからね」
提灯の灯りがあたたかくて、人の声や屋台の匂いが混ざって、なんだかふわふわした気持ちになった。
ウサギの子たちも来ていた。チビに気づいて手を振った。チビも大きく手を振り返した。
ポンはすでに屋台のみたらし団子を目で追っていた。
「まずお参りしてから」とコン。
「わかってる」
でもポンの目は団子を追いかけたままだった。コンがため息をついた。
石段を、三匹並んで登った。




