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第29話「お祭りのお知らせ」

 集落に、立て札が立った。


 コンが読んだ。「みたらし神社、夏越しのお祭り。今週の土曜日」と書いてあった。


「お祭り!」


 チビが飛び上がった。


「去年も行ったよね」


「行った行った! わたあめ食べた!」


「わたあめはなかったよ」


「あった!」


「なかったよ」


 チビはむうっとした。でも記憶が曖昧だった。


 ポンが立て札をじっと見ていた。


「みたらし団子、あるかな」


「あるんじゃない」


「去年もあった」


「ポンはそっちしか覚えてないんだ」


「大事なことは覚えてる」


 コンはため息をついた。


 家に帰ってかあさんに話すと、「じゃあ浴衣を出しておかないとね」と言った。チビがまたぴょんと跳んだ。


「ゆかた!」


「去年のが着られるかしら」


「ぼく大きくなったから、着られないかも」


「そうねえ」


 チビは少し得意そうにした。大きくなった、というのが嬉しかったらしい。コンは苦笑いして、自分の浴衣を押し入れから出しはじめた。


 土曜日まで、あと五日だった。

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