表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/63

第26話「雨と薔薇」

 雨が降った。


 タキさんの薔薇に、雨粒がついていた。花びらの上に丸くころんとのって、光っている。


 チビが塀のそとから眺めた。


「雨粒がのってる」


「落ちないんだね」とコン。


「なんで落ちないの」


「花びらがそういう形なんだよ、きっと」


 チビはじっと見た。たしかに、花びらがすこしくぼんで、雨粒を受け止めているみたいだった。


 タキさんが傘を差して出てきた。


「雨の薔薇も、きれいでしょう」


「うん! 雨粒がついてる」


「宝石みたいでしょう」


 チビはもう一度よく見た。言われてみると、雨粒がきらりと光って、宝石みたいだった。


「ほんとだ」


 タキさんがうふふと笑った。


 ポンが傘も差さずに立っていた。毛並みがしっとりしている。


「ポン、濡れてるよ」とコン。


「うん」


「傘持ってきなかったの」


「忘れた」


 コンがため息をついて、自分の傘をポンの頭の上に差し出した。ふたりで一本の傘に入った。チビはタキさんの傘に入れてもらった。


 雨音の中、薔薇がしっとりと光っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ