表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/63

第25話「ポンのお気に入り」

 ポンに、新しいお気に入りの場所ができた。


 夏みかんの木の下だ。花の香りがして、木陰があって、地面がすこしひんやりしている。岩の上よりここの方がいい、とポンは思った。


 今日もそこへ行って、まるくなった。


 目を閉じると、香りが漂ってくる。風が葉っぱを揺らす音がする。遠くで鳥が鳴いている。


 どれくらい経ったか、足音がした。


「やっぱりここにいた」


 チビだった。ポンの隣にぺたんと座る。


「ここ、いいにおいがする」


「うん」


「ポンのお気に入り?」


「うん」


 チビはしばらくおとなしく座っていた。珍しいことだった。香りのせいかもしれない。


 そのうちコンもやってきた。本を持っている。木にもたれて、読み始めた。


 三匹とも、何も言わなかった。


 夏みかんの香りが、ゆっくり広がっていた。葉っぱの隙間から光が落ちて、ちらちらと揺れていた。


 チビがこくりこくりとし始めた。ポンはとっくに眠っていた。コンは本を読みながら、なんとなく口元が緩んでいた。


 いい午後だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ