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第21話「お茶と縁側と」
よく晴れた日だった。
コンは縁側に腰を下ろして、緑茶を一杯いれた。
最近のことを、ぼんやり思い返してみた。藤の花を見た。かしわ餅を食べた。田んぼに苗が植わった。かえるが鳴きはじめた。ウサギの子たちと知り合いになった。お祭りで花火を見た。タキさんに帽子をもらった。
たくさんあった、と思った。
縁側ではチビが麦わら帽子をかぶったまま昼寝している。帽子が顔の上に落ちてきて、口だけ出ている。ポンがその隣で同じように眠っている。こちらは帽子をきちんと顔の横に置いている。
山はすっかり濃い緑になっている。田んぼの苗はこれからぐんぐん育つ。かえるはもっと鳴くようになる。暑い日が来る。
それでも今日は、風がやさしくて、空が高くて、お茶がおいしかった。
チビがむにゃむにゃと寝言を言った。何を言っているかはわからなかったけれど、楽しそうだった。
コンはまた一口、お茶を飲んだ。




